【JO1】愛 情 の 裏 返 し 【男主】

* kawanishi ページ36

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それから、スタッフさんに湿布と包帯を
巻いてもらったAは

景瑚くんに手助けしてもらいながら
タクシーの方へ向かった。


けが人のくせにヘラヘラと笑って
すれ違う小さい子どもたちに手を振ってる。





スタッフ「あの…」

川西「ああ、えっと、ウチのがすいません」





Aの手当をしてくれていた
男性スタッフが恐る恐るといった様子で
声をかけてくれた。


慌てて謝ると、「いやいや！」と何故か否定。




スタッフ「彼、降りれなくなった子を助けてくれたんです」

川西「え？」

スタッフ「ほらあそこの…男の子が高さに怯えちゃって
登れたけど降りれなくなっちゃって。
彼が抱っこして一緒に降りてくれたんですけど…」

川西「…まじすか？」

スタッフ「着地のときに失敗しちゃったみたいで。
でも気づくの遅れてしまっていたので、
本当に助かりました」







だから、あんなヘラヘラしていたのか。



また無計画に突っ走ってたんだろうとか
考えていたのが少し申し訳ない。






スタッフ「軽い捻挫だと思うんですけど…
もし病院とか行くことになったら連絡もらえますか？」

川西「あぁ…わかりました」





頭を下げて、公園を出る。


近くの道路に止められたタクシーに乗り込むと
景瑚くんがお説教してる真っ最中だった。




乗り込んだあとに男三人で
後ろ席に並ぶのはきついなと思ったけど、

移動する前に車が出発する。






佐藤「まずどっか行くならちゃんと誰かに
伝言してもらえる？」

「あーい」

佐藤「あと怪我したならすぐに連絡すること」

「うーい」

佐藤「反省してるのそれ」

「してるしてる」

川西「なんかしら理由があったんだろうけど、
Aになんかあったら俺らも困るんだよ」

「え〜優しい〜！」

佐藤「おもちゃが減るもんな」

「っておい」





俺達に挟まれてへらりへらりと笑うA。



念のため、痛くないのか聞いたら
「痛いの飛んでいけってしてくれたら治る」
と真顔でふざけてきたので

無言で頭を叩いた。





佐藤「てかなんでこんなとこ手ぶらで来てたの。
結構遠くない？」

「ランニングしてたら迷子になった」

川西「…迷子になった時点で連絡しなよ」

佐藤「もうGPSつけたほうが早いな」

「束縛強い恋人じゃん」

川西「どっちかっていうとペットの飼い主の気分」

佐藤「いやほんとそれ」

「今日二人なんか酷くない？」

「「いつも通りやろ」」

「ハモんなし…」





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