【JO1】愛 情 の 裏 返 し 【男主】

* mamehara ページ33

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「まめ〜っ！おーはよーう！！」




翌日。


昨日の夜までお通夜モードだったAくんが
鬱陶しいくらいでかい声で駆け寄ってきた。



静かなのもイライラするけど、
元気なのもやっぱり鬱陶しい。





レッスン室で丁度一緒にいた汐恩くんが
「うるせぇ」と毒づくも軽やかにスルーしている。


…この人メンタル強いな。




「いやー色々心配させちゃってごめんね！」

豆原「別に。あんな鬱々してるのも鬱陶しかっただけだから」

鶴房「もう切り替えたん？」

「いやね、よくよくデータを見返したら
ちゃんとセーブしてたのに昨日の夜気づいたの！」





……セーブしてた？





豆原「……セーブが、なに？」

「あ、そうそう。この前さぁせっかくラスボス
倒したのにセーブし忘れたと思ってて。
しかも神殿入る前にセーブしてなかったから
これは詰んだわ〜って凹んでたんだけどぉ、」

豆原「………凹んでた理由って、まさか、ソレ？」

「え？うん」

豆原「……」

鶴房「A、一回まめに謝った方がええで」

「なんで？」

豆原「………」







つまり。


この人が凹んでた理由は、
ゲームをセーブ出来てなかったから…？





「いやでも心配かけてごめんって謝ったじゃん」

鶴房「お前煽りの天才か？」

「褒めてる？」

鶴房「駄目やコイツただのアホやわ…」

豆原「Aくん」

「うん？」

豆原「二度と俺に話しかけないで」

「え？！」





丁度蓮くんたちがレッスン室にやって来たので
俺はそれだけ言い捨ててそちらの方に向かった。


が、シュバッ！と目の前に
死にそうな顔をしたAくんが飛び出してくる。




「な、なんで？！謝ったじゃん俺！！」

豆原「煩い邪魔」

「なんでそんな怒ってんの？！俺元気になったよ？！」

豆原「退いて邪魔」

「もしかしてゲーム一緒にやりたか」

豆原「邪・魔」





真っ直ぐ目を見てはっきり言い切ると、

たちまち泣きそうな顔になって「まめぇ…」と落ち込む。



無視して俺は蓮くんたちのもとへ。





蓮くんは「何かあったん？」と聞いてくるけど、
「何も」と答えたら何故か笑われた。



振り返ると四つん這いになって
泣きながら甲子園の砂を集める真似をしてるAくんと、

それを見下ろしながら何か言ってる汐恩くん。





…心配させすぎなんすよ、いい気味。









川尻「元気になってよかったねぇ」

豆原「べつに」

「まめぇ…」

豆原「うるさい」

川尻「仲良し…」

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