【JO1】愛 情 の 裏 返 し 【男主】

* kimata ページ4

*



　「きーまったくーん♪」

木全「うわ」



　夜。


　風呂のあとにパックをしながら
のんびりストレッチしていると

ノックの一つもなくAが笑顔で入ってきた。



木全「なんで毎晩俺の部屋寄るの？」

　「毎晩しょやくんが鍵を閉めていないからだよ」

木全「汐恩と碧海のこと待ってるだけなんだけど」

　「じゃぁいいじゃん！俺も入れて！」



　我が物顔でベッドに飛び込みにっこり笑う。

　年の差関係なく図々しいのは
長所なのか短所なのか。


　いや間違いなく短所だ。

　“遠慮”を知ったほうがいい。



金城「お邪魔しま…あ」

鶴房「Aもおるやん」

　「鶴房パイセン、碧海アニキ！お疲れ様です！」

鶴房「帰れ帰れ」

　「やだ！」

金城「いよいよ疫病神だな」

木全「ほんとそれー。誰か連れて帰ってよ」

　「どっちかっていうと座敷わらしじゃないっすか？」

木全「やだよこんな幸せ来なさそうな座敷わらし」

　「来なさそうってなんすか！
俺がしょやくん幸せにしますよ？！」




　堂々とプロポーズみたいなセリフを叫んでくる。


　煩い。耳が痛い。



　初めて会った時はちょっとおとなしそうとか
思ってたけどあの頃のAはどこへやら。





金城「てかA、前に貸してたTシャツ返して」

　「あーまだ洗ってないっす」

金城「4日前やん」

　「忙しくて」

鶴房「ここくる暇あったら洗濯回しなさいよ」





　ごもっともすぎる正論に
Aはみるみるうちにしぼんでいく。


　ベッドの上で小さく体育座りすると
ぼそりぼそりと呟いた。




　「だって…今日しょやくんたちと
まだお喋りしてなかったんだもん…」

木全「……」

　「取材もバラバラやったし…」

金城「……」

　「部屋で一人も寂しいもん…」

鶴房「……」





　コイツのこういう所が本当にずるい。


　策士かと疑うくらいこちら側の罪悪感が
引き出されて何も言えなくなってしまう。




　俺らが甘いだけな気もするけど。





鶴房「……30分だけな」

　「！」

鶴房「30分経ったら部屋戻って洗濯すること」

　「うん！ありがとぉ鶴房パイセン！」

金城「あとマネージャーさんに今日の報告もまだやろ。
それもちゃんとしてきなさい」

　「ウッス！！」





　図々しいし遠慮もない。

　けど素直なことはいい事かもしれない。



　そう考えてしまう俺もやっぱ甘いのかもなぁ。









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30分後



　「すかー…」


木全「寝るな！！」





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