【JO1】愛 情 の 裏 返 し 【男主】

* kinjo ページ11

.




「なんでよ〜ｯｯ!!!!」




自販機で飲み物でも買ってこようかと
部屋を出た瞬間、すぐそばで泣き叫ぶ声がした。


扉を抑えたまま隣の部屋の前を見ると
Aが扉を叩きながら何か言っている。






金城「……どうしたん？」




恐らく、いや、間違いなく面倒事ではあるだろうけど
このまま放置すれば近所迷惑だとクレームが
入ってしまうだろう。


軽く内容だけ聞いてあげようと話しかければ
早くも涙目のAが勢い良く振り返った。




「碧海パイセン!!! 蓮くんが写真撮ってくれない!!!」

金城「写真？…あー。みんなで撮るやつ」




俺は先程部屋に押しかけられ、
二十枚ほど撮られた。




「蓮くんでコンプリートなのに…!!
意地悪ばっかする!!」

金城「いやお前がダンス練習に集中して
なかったことを反省してないからだろ」

「なっ、なんでわかるのっ?!」

金城「蓮くんが俺に愚痴ってたから。
愚痴ってる蓮くんレアやぞ。やるなぁ」

「え、えへへぇ」

金城「嫌味って知らん？」





ふとそのとき、隣の部屋…つまり、
蓮くんの部屋の扉が微かに開いた。


Aは逃すまいと扉をぶち開けようとするが
力の差が一目瞭然。




隙間から蓮くんが顔だけ覗かせる。


扉を開こうとしたままプルプル震えるAは
「写真撮りましょッ！」と粘り強く懇願した。





川尻「ヤダ」

「なんでよ〜!!意固地にならないでくださいよぉ！」

川尻「今日のダンスパート、
全然進まなかったのは誰のせいだと思う？」

「うぐ…だ、だからそれは謝ったじゃないっすか」

川尻「誰がどこで体調不良になるかわからない
んだから余計な時間は割きたくないんだよね」

「……」

川尻「反省してから来て」





呆気なく閉まる扉。


Aはそれをじっと見つめて唇を噛み、
何かを堪えている。




金城「ド正論やな」

「う〜」

金城「良かったやん。反省すれば撮ってくれるって」

「反省したって言ってるじゃないっすか〜ｯ」

金城「行動で示さんと」

「……一日中部屋に向かって反省したよって
言い続けるとか？」

金城「何言ってんの？」





瞬間、きっちり閉まっていたはずの扉が
ぶち開けられたかと思うと

珍しく焦った顔をした蓮くんが出てきた。






金城「あれ」

「蓮くん！」

川尻「今すぐ写真撮ろうか」

金城「どうしたんすかいきなり」

川尻「Aならやりかねないなって」

金城「あぁ…」

川尻「奨くんはされたらしい」

金城「すでに被害者が」




.

「 壱日 」 * kimata→← * yonashiro

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す