可愛い幼馴染はもういません。【川西拓実】

15話 ページ15

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人と人が別れようと、

地球の回転は止まらない。


故に仕事はやってくる。




会社につくと中村さんが
「聞いてくださいよ！」と昨日の彼氏候補の
ダメ出しが始まった。


聞いていると元カレにも当てはまる共通点が
多々あったので、

次誰かと付き合う前は絶対中村さんの
意見を聞いとこうと静かに感じた。








「あー、真登間さん。ちょっといい？」



デスクで仕事を始めようと思ったとき、
上司の方に呼び止められた。




「どうされました？」

「今携わってくれてる企画あるじゃん」

「たく…JO1の？」

「そうそう。
それのことでデザインの打ち合わせすることに
なったんで、午後からそっち行ってもらえる？」

「午後？！きゅ、急ですねぇ…」

「ちょっと色々変えなきゃいけないところが
出てきたみたいなんだよね。いいかな？」

「はい…まあ…」





申し訳なさそうな顔だけど
押し切るような口調の上司に
もちろん断ることなんてできない。


遠目に中村さんが小さくお辞儀してくれた。

彼女なりの「お疲れ様です…」という
メッセージが伝わってくる。









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「改めまして本日はありがとうございます」

「こちらこそ、急な打ち合わせで申し訳ありません。
どうしても確認したいことがありまして…」




同じ会社の人とJO1側の代表の方の挨拶を
隣で肩身狭く見守る。


どうやらJO1のメンバーは全員来ているわけでは
ないらしく、何人かは他の仕事で外せないらしい。



拓実も、来れていないみたいだ。





……なんか、ちょっと残念だけど、

ホッとしてる自分もいる。




打ち合わせ内容は他ページデザイン案、
それと次回以降の企画についての修正。


どうやら上から「もう少しページを増やそう」と
提案されたようで。









「あの、真登間Aさん」



難なく打ち合わせが終わり、
JO1の方々のお見送りを一緒にしていると

メンバーの内の一人が声をかけてくれた。



すらりとした長身、どの角度からも整った顔、

めちゃくちゃ羨ましいくらいに綺麗な肌。


どこか甘そうなフェイス。




この人は……







「えと…どうされました？佐藤さん」





JO1の佐藤景瑚さんは、少し微笑むと
スマホの画面を見せてきた。


LINEのQRコード…？









「今度、俺ともご飯しましょう」


「え？」







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