1話 ページ1
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「ど、どちら様でしょうか…?」
日曜日の夜。
数年ぶりに幼馴染から連絡が来たので
ウキウキしながら待ち合わせ場所で待っていると、
ピンク色の髪をした少し派手な人がやってきた。
サングラスと帽子も全身どこぞの
ブランド者な感じがしてて、ぶっちゃけ怖い。
私の待っていた人物は坊主頭に近い男の子で
日焼けしてて、可愛い男の子なんだけども。
目の前の男性は私の反応に暫く無言のまま、
それからゆっくりとサングラスを外した。
くりりとした目に、力強い眉。
懐かしき少年の面影を残しているその人は
私を見据えると見下ろすように目を細めた。
「幼馴染のこと、忘れたん?」
低い声。でも、どこか懐かしい。
認めるしかないのだろうか。
いや、認めたくない。
私はカバンを握り直して、
恐る恐る名前を呼んでみる。
どうか、人間違いでありますように…と。
「…川西拓実くん、でしょうか?」
「なにそんな怯えてんの」
男の人……川西拓実くんはフッと
薄く笑みを浮かべて笑った。
嘘だ…たっくんはそんな大人びた笑い方しないもん。
もっと、うわはは!って豪快に笑うもん。
もしくはお手てを口に当てて可愛く笑うもん…!!!
「私の可愛いたっくんがグレた…」
「なにそれ」
「あの無邪気で可愛いたっくんはどこ行ったの」
「何年前の話だよ」
「だって!そんないかつくて奇抜な格好
したことなかったじゃん!」
「はぁ…Aは相変わらずやな」
ため息をついて、「とりあえず店行くで」と
歩き出すたっくん…いや、川西拓実さん。
認めたくはないけど、
私の名前を知ってるし、面影は残ってるし
人間違いではなさそうだ。
今日は5年ぶりに幼馴染とご飯を食べに来ている。
けど、私はもうすでに帰りたくて仕方ない。
「可愛い幼馴染はどこ行ったんですか…」
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・フリーランスのデザイナー
・川西拓実とは幼馴染
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Shiu(プロフ) - 緑さん» いつも読んでくださり、そしてコメントありがとうございます!そう言ってもらえてとても励みになります…(T_T)このお話も最後まで頑張って書いていきますので、ぜひ見届けてもらえたら嬉しいです(*´∀`*)次回作ももちろん全力で頑張ります! (2021年6月9日 23時) (レス) id: 3e168f23de (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - nanakoさん» コメントありがとうございます!ぜひこのお話のラストも見届けていただけたら嬉しいです(*´∀`*) (2021年6月9日 23時) (レス) id: 3e168f23de (このIDを非表示/違反報告)
緑(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!学園もの全然アリやとおもいます!アリっていうかもはや読みたいです(笑)完結と新作楽しみにしてます!! (2021年6月8日 23時) (レス) id: 70fd815c99 (このIDを非表示/違反報告)
nanako(プロフ) - 好きなお話でした。楽しかったです。鶴房くんのやめたら嬉しいです。 (2021年6月8日 21時) (レス) id: 739857a84a (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - ちいたんさん» ひゃーー!ありがとうございます!!めちゃくちゃがんばります(*´∀`*) (2021年6月7日 12時) (レス) id: 3e168f23de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Shiu | 作成日時:2021年4月12日 22時