5話 ページ5
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お店に向かう途中の道も
蓮くんは気を使ってくれてるのか
ずーっと話しかけてくれていた。
川尻「じゃぁ一個下ってことは
弟くんにとって最後の高校野球やね!」
「そうなんですよ〜!今年も応援行かなくちゃって思ってます」
川尻「Aちゃんは良いお姉ちゃんだ」
「そうでもないんですよ。一方通行な愛って感じがします」
川尻「そーなん?」
「はい!今日の朝も叱られちゃって。
でもすごいしっかりしてて優しくて可愛い子なんですよ」
川尻「んふふ、仲良しやね」
「私ももっとしっかりしなきゃ!とは思うんですけどねぇ…
可愛い弟に甘えてしまいます」
蓮くんはゆるゆると微笑んで
「やけん良いお姉ちゃんなんよ」と答えてくれる。
蓮くんのほうこそ兄弟を大切にしてるっていうのが
会話の節々から伝わってくるけどなぁ。
ふとその時、誰かのスマホに着信が入った。
蓮くんが首を傾げて胸、腿、お尻のポケットを
ぽんぽんっと叩いていく。
そして「あ」と何か思い出して
黒いウェストポーチからスマホを取り出した。
川尻「もしもし?うん。…うん、そーよ。
もうすぐ着くけんもうちょっと待っとって?
あー…5分くらいには!うん!」
「サークルの方ですか?」
川尻「そそ。早く新入生連れて来い〜って急かされちゃった」
「あわ、すいません、歩くの遅くて…」
川尻「ちがうちがう!
あっちがそそっかしいだけよぉ!」
咄嗟に謝る私に手をぱたぱた横に振って
安心させてくれる蓮くん。
そして手のひらを口元に近づけたかと思うと
「それよりも…」と声をひそめる。
川尻「うちのサークル、特に男子って
お酒大好きな奴が多いのね」
「おぉ。賑やかそうですねぇ」
川尻「そうなんよ。気をつけてくれてるとは思うけど、
変な絡まれ方されよったら俺んとこ逃げといでね?」
「蓮くんを盾にすると?」
川尻「んーまぁそんなんかな!おっけい?」
蓮くんは口を「い」の形にしていたずらっぽく笑った。
本当によく笑う人。
つられて私も笑顔になってしまう。
川尻「ちなみに未成年ちゃんはお酒だめよ?」
「わかってまーす!」
川尻「んは!よろしいっ!」
そうして着いたお店は本格的な中華屋さんだった。
高く細い階段を登ると大きな部屋がいくつも並び、
ひときわ賑やかなところへ向かっていく。
…美味しいものいっぱい食べれるかなぁ。
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Shiu(プロフ) - ぴさん» コメントありがとうございます!お返事が遅くなってしまってすいません…!最近ようやく私生活が落ち着き、他作品から完結に向けてお話を進めています。こちらのお話もきちんとした形に終わるよう更新する所存です、もし良ければお待ちいただけると幸いです…! (4月10日 21時) (レス) @page29 id: de23370fb2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 感情移入して泣きそうになりました…更新楽しみにしてます… (10月1日 3時) (レス) @page29 id: 69b32d86ae (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - ななしさん» こんばんは!暖かくやさしいコメントをありがとうございます…!終盤直前で停止させてしまってすいません(;-;)完結させたい気持ちはとてもあります!また楽しく読んでいただけるようがんばります!!励みになりました、ありがとうございます! (6月21日 19時) (レス) id: 4d51508915 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - コメント失礼します。主人公の性格も蓮くんも人間らしくて素敵で、読んでいて落ち着く(表現変かもしれません)お話でした⋯!更新まったり楽しみにしています✨ (2022年6月20日 15時) (レス) @page29 id: 791bab0b0f (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - ^^さん» コメントありがとうございます!数少ない小説の中から見つけて下さりありがとうございます(*´-`*)妄想空想こじらせた小説ですが、実際の蓮くんはもっとかっこよくて魅力的な方です…!ぜひ堕ちましょう💓💞更新頑張ります! (2022年6月9日 5時) (レス) id: 4d51508915 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Shiu | 作成日時:2021年9月8日 2時