23話 ページ23
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ダンスフェスティバルから数日。
私の足もだいぶ治ってきたので
ダンスサークルの練習に参加していた頃のこと。
有川「ねぇねぇAちゃん見てぇ〜」
休憩中、録画していた映像を確認していると
みっちゃんが私にスマホの画面を見せてきた。
なんだろうと見るとそこには
バリバリダンスの超かっこいい蓮くんの写真。
何かの雑誌のネット記事みたいだ。
「え!蓮くん!」
有川「今回のフェスティバル優秀ダンサーに選ばれてたからね!」
「すご…」
まるで別次元の人間だ。
思わず覗き込んで見てると、
「なーにしよっと〜!」とご本人の登場。
私とみっちゃんの間に入ると「二人近いっ」って少し拗ねてた。
「蓮くんネットに載ってますよ!」
川尻「あーなんか色々聞かれとった気がする…」
有川「有名人じゃないすか蓮くん〜!」
川尻「あはははっ!なんなんそれ〜!」
「サインください〜!」
川尻「んー?今はまだだーめ」
蓮くんはどこか嬉しそうに笑ってそうはぐらかす。
……この人私に意地悪言うときいつもいい笑顔だよなぁ。
本人無自覚だろうけど。
有川「あ、スカウトされた件はどうするんすか?」
スマホの電源を切りながら唐突にそんなことを言うみっちゃん。
心なしか、蓮くんの動きが固くなった気がした。
「え!スカウトされたの?!すごいです!
なんで教えてくれないんですか〜!」
有川「あれ?聞いてないの?蓮くんから聞いてたかと…」
川尻「有川」
すごいことなのに、嬉しいことのはずなのに
みっちゃんの名前を呼ぶ蓮くんの声が厳しい。
顔は笑みをうかべてるのに、目が笑っていなかった。
その表情の意図が読めなくて
心臓がギシリと重くなる。
川尻「その話は、また今度ね」
有川「あ…すいません」
「え?え?どういうこと?」
川尻「Aちゃんには今度きちんと話すから」
「今じゃ駄目なんですか?」
状況を知らないのは私だけみたいで、
蓮くんは困ったように笑うと「ごめんね」と謝る。
みっちゃんは知ってるのに、
どうして私だけ教えてもらえないんだろう。
いつもだったら「まぁいっか」ってなるはずなのに
今日だけはなんだか酷く悲しくて。
でもワガママなんて言えるわけがないから
「絶対今度教えてくださいよぉ〜!」と怒ったフリ。
それにすらも蓮くんは、
どこか申し訳なさそうだった。
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Shiu(プロフ) - ぴさん» コメントありがとうございます!お返事が遅くなってしまってすいません…!最近ようやく私生活が落ち着き、他作品から完結に向けてお話を進めています。こちらのお話もきちんとした形に終わるよう更新する所存です、もし良ければお待ちいただけると幸いです…! (4月10日 21時) (レス) @page29 id: de23370fb2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 感情移入して泣きそうになりました…更新楽しみにしてます… (10月1日 3時) (レス) @page29 id: 69b32d86ae (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - ななしさん» こんばんは!暖かくやさしいコメントをありがとうございます…!終盤直前で停止させてしまってすいません(;-;)完結させたい気持ちはとてもあります!また楽しく読んでいただけるようがんばります!!励みになりました、ありがとうございます! (6月21日 19時) (レス) id: 4d51508915 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - コメント失礼します。主人公の性格も蓮くんも人間らしくて素敵で、読んでいて落ち着く(表現変かもしれません)お話でした⋯!更新まったり楽しみにしています✨ (2022年6月20日 15時) (レス) @page29 id: 791bab0b0f (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - ^^さん» コメントありがとうございます!数少ない小説の中から見つけて下さりありがとうございます(*´-`*)妄想空想こじらせた小説ですが、実際の蓮くんはもっとかっこよくて魅力的な方です…!ぜひ堕ちましょう💓💞更新頑張ります! (2022年6月9日 5時) (レス) id: 4d51508915 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Shiu | 作成日時:2021年9月8日 2時