【呪術廻戦】愛を呪わないで【乙骨憂太】

差し伸べられた左手の薬指には永遠の愛を誓った証がきらりと輝いている。

「初めまして、乙骨憂太です」

自信なさげに眉を下げてへにゃりと笑う姿とは対照的に、その呪力は底が見えずあまりにも恐ろしい。

ぞくりと背筋を這った嫌悪感にスルーを決め込み、私は人好きのするような笑みを浮かべた。

『よろしくね、乙骨くん』

差し出された手には応じなかった。握手してしまえばきっと激しい嫉妬と呪いに身を食われてしまう。

彼はまだ、自分の呪いについてよく理解していないのだろう。それ故にあまりにも危険すぎる。

とんでもない子(ばくだん)を連れてきた目隠しの教師を睨みつつ、しょんぼりしたように手を引っ込める乙骨憂太という少年に視線を向けた。

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これは愛することに臆病になってしまった少年と少女が出会い、もう一度愛を知るための物語である執筆状態：連載中