硝子玉 ページ7
彼女を急かして礼拝堂に滑り込み、慣れない彼女に手順を教えてあげながら礼拝を済ませる。
何故か何時も居ないあたしが居ることに皆興味と怯えを浮かべた目で見てくる。
隣に居る彼女にも同様に。
自由時間になるまでずっと誰かの目線が突き刺さっていた。
皆あたしが異能力を遣うから怯えている。
別になにもしなきゃアンは呼んだりしないのに。
「なあ、お前」
遠くからあたし達を見ていた一人が声を掛けてくる。
あたしより下だけど、態度はかなり上の子。
彼は以前あたしの大切にしていた人形を壊したという前科がある。
彼は他人の大切なものを壊す趣味があるらしい。
今回は彼女の人形を壊す心算かしら。
「何でこんな気味悪ぃバケモンと一緒に居るんだ?」
そう云ってあたしを指して彼女の方を見ながら云う。
「な・・・・・・!」
バケモン、と云われあたしは手が震える。
別にこんな力が欲しい訳じゃないのに。
望んでなんかないのに。
「何か云えよ」
何も答えず硝子玉のように何の感情も浮かんでいない瞳に見詰められ、狼狽える。
それでも彼女は何も云わない。
「んだよ、気味悪ぃな」
彼はそれだけ云うとなにもせずに戻っていった。
彼女は何事も無かったかのように、歩き始める。
あたしは慌てて後を追いかけた。
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笹山花音(プロフ) - きなこさん» 最後まで読んでくださり、有り難う御座いました!大好きとは、嬉しい限りです。応援有り難う御座いました! (2017年8月21日 11時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - 完結、おめでとうございます! この作品大好きでした。なので、ちょっと寂しくなりますね。これからも創作活動、頑張って下さい! (2017年8月20日 19時) (レス) id: b7dbad87d7 (このIDを非表示/違反報告)
笹山花音(プロフ) - ルルさん» 御指摘と感想有り難う御座います。直しましたが、此れで宜しかったでしょうか? (2017年7月20日 14時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - 何度もすみません。時間の辺りから名前が沙羅のままになってます。 (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - タイトル入れ忘れてました。言語の所です (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:笹山花音 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年5月19日 21時