地下水 ページ38
「さあルーシー、貴女はあの店で働いているんでしょ?
戻って働かないと」
弁慶の弱点を蹴られたトウェインはのたうち回り、沙羅は離れないモンゴメリを剥がす。
「そうだわ、今から三人であの店にいきましょう。
ルーシーは働かなくては成らないし、わたしはポチに訊きたいことが幾つかあるもの」
「ここ数ヵ月で僕の精神&身体的ダメージは過去最高だよ」
そう云いながら処では立ち上がり、二人の手を掴む。
もう一度地面に転がるまであと1秒。
「御免なさい、店主。
直ぐに仕事に戻ります」
店に戻ったモンゴメリは服装の乱れを直し、厨房に入っていく。
「やあ、リトルプリンセスにタイガーボーイ!
矢張生きてたんだね!」
「え、あの、何処かでお逢いしましたっけ?」
いきなり親しげに話し掛けられた敦と鏡花は疑問符を浮かべる。
「えー酷いなぁ、僕の事忘れるなんて」
「ポチ、お座り」
「ワン」
心底心外そうに云うトウェインに先に席についた沙羅は云う。
トウェインはふざけて返事をし、沙羅と同じ席に座る。
といっても敦達の直ぐ後ろなのでトウェインは背凭れ越しに話し掛ける。
「済みません、何処でお逢いしましたか?
覚えてなくって」
済まなそうな顔をして敦は謝る。
「彼が一方的に殿方を知っているだけだから気にしなくて良いわよ」
水とメニューを持ってきたモンゴメリが沙羅に水を渡しながら云う。
「あれ、そっか、そういえばそうだね」
「貴方の水は特別に地下から組み上げたものだから味わいなさい」
ダンッと音を立ててモンゴメリは水を置く。
「ワオ、それは凄い、流石モンゴメリ!
処で地下ってどの辺?」
水を一気に飲み干してトウェインは云う。
「ここから直ぐ近くよ。
そこの扉を出て目の前」
モンゴメリはそういって入り口の扉をさす。
心なしか頬がひきつっている。
「ヘエ、意外と近いんだね」
トウェインは立ち上がり、外へ出る。
「地下って下水道!?」
漸く気付いたトウェインが振り返って叫ぶが、既にモンゴメリは居ない。
「トイレは彼処」
沙羅は奥の扉を指す。
トウェインは口許を押さえ、掛けていった。
「何て物を飲ませるんだよ、君は!」
「説明しようと思ったら先に貴方が全部飲んだんじゃない!」
「そうなる前に説明してよ!」
「先ず地下から汲み上げた時点でおかしいと思いなさいよ!」
モンゴメリとトウェインが喧嘩している横で沙羅は一人注文したパフェを食べていた。
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笹山花音(プロフ) - きなこさん» 最後まで読んでくださり、有り難う御座いました!大好きとは、嬉しい限りです。応援有り難う御座いました! (2017年8月21日 11時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - 完結、おめでとうございます! この作品大好きでした。なので、ちょっと寂しくなりますね。これからも創作活動、頑張って下さい! (2017年8月20日 19時) (レス) id: b7dbad87d7 (このIDを非表示/違反報告)
笹山花音(プロフ) - ルルさん» 御指摘と感想有り難う御座います。直しましたが、此れで宜しかったでしょうか? (2017年7月20日 14時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - 何度もすみません。時間の辺りから名前が沙羅のままになってます。 (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - タイトル入れ忘れてました。言語の所です (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:笹山花音 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年5月19日 21時