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焼却 ページ34

「モンゴメリ君、此れを棄てて置いてくれ」

彼との話が終わったらしいフィッツジェラルドさんはあたしを呼び出して薄気味悪い人形をあたしに放り投げる。

頭は破れているし、顔は気持ち悪いし、なんか笑ってるし。

あたしは若干顔をしかめるけど、命令だから仕方なく受け取り、直接触れたくはないから袋に放り込んだ。

そうだわ、焼却炉に行く途中、彼に逢いに行こうかしら。

きっと無様な様子で泣いているわ。

あたしはクスリと笑うと牢に向かって足を進めた。


飛ばします
=========∴==========

noside

何時かここから救い出して。

待ってるから」

モンゴメリは微笑む。

「判った。

あ、御免、ひとつ聞き忘れたことが」

敦は頷いた後、思い出したように振り替える。

「君は先刻独りぼっちって云ってたけど、君と一緒に居た子は?」

敦がそう訊いた途端、モンゴメリの顔が曇る。

「あの子はもう居ないわ。

あの作戦以降逢ってないもの、何処で何してるか何て知らないし、興味もないわ」

「でも君たち、友達だったんじゃ」

「友達でも何でもないわ。

あの時沙羅はあたしの事を助けようとしてくれなかった。

友達だと思ってたのはあたしだけだったのよ」

「あのう・・・」

それを聞いた敦が云いにくそうに口ごもる。

「何よ」

少し嫌な予感がしてモンゴメリはきつい口調で問う。

「たぶん、それ、僕らの所為だと思う。

扉に気を取られてるときに、マフィアの首領が彼女を縛ったんだ。

それで動けなかったんだよ。

本当に御免」

敦はそう云って頭を下げる。

モンゴメリは返事の代わりに敦は扉から突き落とした。

「どわあッちょっまっ」

敦は手足をばた付かせてバランスをとる。

「沙羅にあったらご免なさいって伝えて!」

モンゴメリは叫ぶと返事を待たずに扉を勢いよく閉めた。

「そんなこと云ってくれなかったじゃない」

モンゴメリはその場にしゃがみこんで呟く。

でも別れる時を思い出して首を振った。

モンゴメリを心配してアンが近付く。

「違う、云わなかったんじゃなくてあたしが聞こうとしなかったんだ・・・」

今さら後悔しても遅いのに

大切なものは無くしてから初めて気付く。

何時か沙羅が云っていたことを思い出す。

本当にその通りだった。

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笹山花音(プロフ) - きなこさん» 最後まで読んでくださり、有り難う御座いました!大好きとは、嬉しい限りです。応援有り難う御座いました! (2017年8月21日 11時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - 完結、おめでとうございます! この作品大好きでした。なので、ちょっと寂しくなりますね。これからも創作活動、頑張って下さい! (2017年8月20日 19時) (レス) id: b7dbad87d7 (このIDを非表示/違反報告)
笹山花音(プロフ) - ルルさん» 御指摘と感想有り難う御座います。直しましたが、此れで宜しかったでしょうか? (2017年7月20日 14時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - 何度もすみません。時間の辺りから名前が沙羅のままになってます。 (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - タイトル入れ忘れてました。言語の所です (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:笹山花音 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年5月19日 21時

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