【文スト】青い瞳の人形【完結】

作戦 ページ22

「却説、先ずは如何やって彼を捕らえようかしら」

取り敢えず沙羅の異能空間に移動して作戦を立てる。

「何かを消して調査に乗り出した社員を人質に取るって云うのは如何？」

「良いわね、それ！

社員はもう既に一人居るもの」

両手を合わせてあたしは云う。

「じゃあ、消すものはポートマフィアの建物は如何かしら？

小さなフロントでも良いけど」

マフィアが絡めば探偵社も流石に動くでしょう？

と沙羅は付け足す。

「でも流石に建物は入れたこと無いわ。

大きすぎるし邪魔だもの」

「建物は何処か適当に捨てたら？

白い扉は好きなところに繋げられるでしょう？」

「扉から建物出せないわよ」

「異能を解除すれば良いじゃない」

じゃあ明日決行しましょう。

沙羅はそう云って異能を解除した。






「沙羅の読み通り、出てきたわね」

あたしは数米向こうに居る三人を見て云う。

「報告書だと黒髪の女の子と茶髪の少年は兄妹だそうよ。

兄妹とは思えないほど仲が良くて互いに依存しているんですって」

紙を捲りながら沙羅は云う。

「探偵社員の調査報告書？」

あたしは呟いて覗き見る。

沙羅はあたしにも見易いように傾けてくれる。

報告書には調査員全員の出生、身長、血液型、異能力等が書かれていた。

沙羅の頁を捲る手が止まる。

そのページは標的である虎の子についてだった。

「孤児院出身ですって。

マフィアに捕らわれたときも全員で助け出したそうよ。

凄いわね」

「きっと愛されているのね。

羨ましいわ」

独り言を呟く。

沙羅はちらりとあたしを見て何も云わずに報告書を閉じた。

「人質にするのはあの女の子にしましょ。

仲が良いなら兄の方が必ず来るわ」

沙羅はそう云うと空間に報告書を仕舞う。

「異能力『青い瞳の人形』」

「異能力『深淵の赤毛のアン』」

あたし達は異能を同時に発動させた。


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お気に入り、評価、ランキング最高２２位本当に有り難う御座います！

ランキングに入れただけでも凄く嬉しいのに更にこんな高い順位を頂けるなんて。

感謝しても仕切れません。

有り難う御座います

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