任務 ページ18
加成すっ飛ばして原作行きます
「団長が呼んでるよー」
沙羅と一緒に部屋でお喋りをしているとノックの音と共にトウェインの声がした。
団長からの指示は彼を通して伝えられる。
沙羅が人見知りで余り人と話せないから、唯一話せる彼を通すみたい。
他人の心を気にしないあの人が思い付くことはないだろうから、何時も一緒に居るオルコットちゃんが思い付いて伝えてくれたのだと思う。
「直ぐ行くわ」
あたしは返事をして立ち上がる。
「やあ、今日は一人かね」
フィッツジェラルドさんの部屋へ入ると、彼は手を掲げ挨拶をする。
「ええ、沙羅は今自分の部屋に居ます。
任務ですか?」
「ああ、来週ニッポンの横浜に行くことは知っているだろう?
その前準備として俺とリプトン君、それから君達二人で行くことにした。
行くのは明日だからそれまでに準備をするように」
「随分と急な話ですのね」
出発の前日だなんて。
思わずそう呟く。
「善は急げと云うだろう?」
彼はそう云ってニヤリと笑う。
あたして一礼して部屋を出た。
「へぇ、良いな〜。
先に観光とか出来るんだ」
「出来る訳無いでしょ、任務で行くのよ?
抑なんで居るのよ」
部屋に戻ると何故か沙羅と一緒にトウェインが待っていた。
あたしの椅子から落とし、沙羅に任務の事を伝える。
「僕も仕事なくて暇だからさ。
美味しいね、此のクッキー」
「お座り」
立った侭沙羅の作ったクッキーを食べるトウェインに沙羅は紅茶を飲みながら云う。
ワン、と云って彼はその場にしゃがむ。
代わりに彼の異能生命体二人が机に登り、クッキーを二人で分ける。
あたしはそのクッキーを取り上げると二つに割って返した。
「日本と云えば沙羅の故郷だよね。
今度案内してよ」
「良いわ、動物保護センターを案内してあげる」
彼とあたし以外は沙羅は全く話そうとはしない。
でも一度心を許せばこんな風に毒をよく吐く。
見た目は凄く大人しそうなのに、実際はかなりの毒舌家。
最近はその毒が殺傷能力が増してきている気がする。
今も彼は保護センターの事でキャンキャン吠えている。
沙羅は涼しい顔して居るけど。
「午後の紅茶の時間は終わりよ、トウェイン、沙羅。
仕事をしましょ」
文句を云う彼を部屋から追い出し、クッキーを一つ摘まむとあたしも仕事をしに自分の作業机に戻った。
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笹山花音(プロフ) - きなこさん» 最後まで読んでくださり、有り難う御座いました!大好きとは、嬉しい限りです。応援有り難う御座いました! (2017年8月21日 11時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - 完結、おめでとうございます! この作品大好きでした。なので、ちょっと寂しくなりますね。これからも創作活動、頑張って下さい! (2017年8月20日 19時) (レス) id: b7dbad87d7 (このIDを非表示/違反報告)
笹山花音(プロフ) - ルルさん» 御指摘と感想有り難う御座います。直しましたが、此れで宜しかったでしょうか? (2017年7月20日 14時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - 何度もすみません。時間の辺りから名前が沙羅のままになってます。 (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - タイトル入れ忘れてました。言語の所です (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:笹山花音 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年5月19日 21時