君と僕との物語（JW赤×緑）

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この前は、電車で冬の海見に行った。

だいちゃんにお土産言うて、二人で綺麗な貝殻いっぱい拾った。


1ヶ月言うてただいちゃんのお迎えは、一向に来ないけど、ハマちゃんがちゃんと届け出てくれたらしい。
まだだいちゃんと過ごせるんやって…
いつまでも知らせのこないこの状態を、できるだけ長く、そう願ってる。



冬の海は、ひとけもなくて、静か。
聞こえるのは、波の音だけ。


砂浜に並んで、しばらく波を見てたら、
ふと重なる、冷たくてちょっとカサついた手。



「神ちゃん、」


重岡さんの顔見ると、いつもより緊張した顔。
大事な話なんやってわかったから向き合ったけど、俺まで心臓が速まって、ドクドク耳に響いてくる。


「この前…神ちゃんの涙、見て、思ってん。」

「もう泣かせたくないって」

「一生笑わせるから、」

「一生、幸せにするから、」


「結婚、してください。」


あまりにまっすぐなプロポーズ。
嬉しい、めちゃくちゃ嬉しい。

素直にそう思える自分にホッとしてる。



自分の気持ち、わかったよ？だいちゃん。
だいちゃんの言う通り、ちゃんと心が教えてくれた。



「付き合ってへんのに？」
「うん。それくらい愛してる。」
「ふはっ。どストレート」

「俺も、重岡さんのこと、好き、みたい」

くりくりの目が見開かれた。


「結婚、約束な？」
「…ええの？」
「うん。」
「流星くん、は？」
「やから、重岡さんのこと、好きや言うてるのに」
「まじで⁉︎」


勝算ないと思ってたん？なのにプロポーズするん？

ほんまに不思議な人。
けど、やっぱり、重岡さんがええみたい。
んーん。重岡さんやないとアカンみたい。


重なった手を、ぎゅっと握り返すと、重岡さんは、グスッと鼻を啜った。

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