Colorful stories 8（W.短編集）

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みんなの顔見ながら弾く余裕が出てきた頃。みんなええ顔してるのに、ハマちゃんだけは浮かない顔。
その視線の先には…
涙を流す神ちゃん。

前もこの曲ん時、泣いてた。

この曲で、神ちゃんを想って作ったこの曲で、神ちゃんが泣いてるんが悲しくて、つらくて。






休憩時間、コンビニに走る。
どうしたら神ちゃんが笑うんかわからへんけど、まっすぐぶつかる以外の方法、アホな俺には見つかれへん。

今日こそ、神ちゃんに言おう。
俺の気持ち、あの曲に込めた、神ちゃんへの気持ち。
好きやってこと。


嫌われてもええ、
拒否られてもええ。









「神ちゃんっ！」

まだ息も整ってないのに、楽屋に飛び込むと、神ちゃんは一人で俺の大事な曲、練習してくれてた。


「しげ、どしたん？」
「あ、アイス、もらってん！」
「一緒に…食べへん？」
「ええの？ありがとぉ」


とりあえず、神ちゃんが笑ったから、第一関門、突破。


ビニールから出したカップのアイス。
二つを並べると、一瞬止まって、笑う。


「歌みたいやん。笑」
「せやで？バニラかチョコ。どっちがええ？」


覗き込むと目が合って、
神ちゃんの戸惑いが伝わってくる。
けど、逸らさへん。
これが、俺の気持ちやから。
伝われ！って願いながら、神ちゃんの瞳を見つめる。

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