Colorful stories 8（W.短編集）

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寒空の下、一人で歩く。
いつもより早足なのは、寒いから？、それとも隣に君がいないから？

コンビニ、こんなに遠かったっけ…？



強がりな君が、玄関が閉まる時に一瞬見せた、泣きそうな顔。
頭にこびりついて、離れなくて。

少し先にコンビニの人工的な灯りが見えて、やっとホッとする。


ふらふら店内を歩く。
目に入るのは、いつも君が立ち止まる雑誌コーナー。それから次は、スイーツコーナー。
仲直りのスイーツ買おうとしてる時点で、俺の負け。
向かう途中、目に飛び込んできたのは真っ赤なポップ。


“期間限定て言われると食べたくなるよなぁ”


口開けて、アホな顔して笑う神ちゃん思い出して、ニヤけそうな自分にため息をつく。


仲直りにはもってこい。
初めてのキスは、アイスクリームの味やもん。


二つのアイスを手に取って、レジに向かった。



バイトの兄ちゃん、お疲れさん。
ついでに俺も、お疲れさん。

さて、帰りますか、








＿＿＿＿＿

飯食った後、
カラオケ行く言うて盛り上がるメンバーたち。
けど、次の日朝からロケの神ちゃんは、


「先帰るわ。おつかれさん」


にっこり手を振って、背中を向けた。

「しげ、チャンスやん！送っていき？」
「神ちゃん、アイス食べたい言うてたで？」

俺の片思い知ってるメンバーたちに背中を押されて、走り出した。



「神ちゃんっ！」
「え、しげ、⁉︎」


立ち止まると、びっくりした顔で振り返った。


「俺も帰ろ思って。一緒帰ろ？」
「へへ。行こか」

並んで歩き出す。
座りはええのに、居心地悪い、好きな子の隣。
やって、ドキドキすんねんもん。


真夏の夜のベタベタした空気がまとわりつく。


「あっついなぁ、」
「せやなぁ」


沈黙に耐えかねて、呟く。

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