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「俺、好きな人ができてん。やから、これでやっと、前に進める」

ハマちゃんのこと、ちゃんとしたら、告白しようって決めて帰ってきた。

「へぇ、そうなん、」

落ち着かないみたい。
目を逸らして、悲しそうな顔。
昨日のしげを見て、ちょっとだけ期待してる。
しげが、俺のこと好きでいてくれるんやないかなって。




「しげ…すき、」

不思議と緊張しなかった。
昨日の夜から纏ってる俺としげの甘い空気が、そうさせとんのかもしれへん。

へ?とか、は?とか、しげはパニック。
バタバタと動き回って落ち着かへん。

もう、大事な時に。
そんなところすら愛おしいんやけど。

しげに覆いかぶさって、クリクリの瞳を見下ろす。


「しげっ!」


ビクッとしたしげの頬を捕まえて、無理やり目を合わせる。

「もっかいしか言わへんから、よーく聞いといて?」

溢れそうなくらい涙を溜めた目をまん丸にして、俺のこと見つめてる。


「しげ。好き」


すぐに引き寄せ合う唇。
何度も何度も啄むように音を立てる。


「言わせてごめん、」

「俺も好き。神ちゃんのこと、ほんっまに好き」


指と指を絡めて、手首に強く吸い付いた。
しげからの愛の印に、心がじゅわっとあったかくなった。

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作者名:7129 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=7129  
作成日時:2022年8月7日 17時

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