No.10 欠損 ページ12
「…とりあえず座ろうかの。日々樹くん。」
「はい☆」
パチンッという軽快な音と共に、机の周りに現れたイス。
丸い机に零さん、渉さん、宗さん、私、奏汰さんの順に座る。
カップの紅茶を飲むと、ほんのりとした甘みと香りが広がる。
「相変わらず、紅茶を入れるのがお得意ですね、渉さん。」
「瑚宵さん。」
「これはなんという紅茶ですか?今度教えてください。」
「瑚宵さん。」
「そういえば、ずっと思ってたんですけど、ここ、どこですか?」
「天園。」
「一見どこかの教室なんですけど、見たことないんですよねぇ。」
「嬢ちゃん。」
「五奇人の部屋…みたいなものですか「嬢ちゃん。」
………
「話を逸らそうとするでない。ちゃんと話をしようぞ。そのために人は、言葉を生み出し、覚え、使うのだから。例え、バベルの塔が崩壊しようと、それは変わらぬのじゃ。」
「…すみません。」
なんの話かなんて、想像は容易くついた。
断片的にですらない。確実に、全てを。きっと。
「嬢ちゃん、逆先くんは我らにとって弟のようなものじゃ。望むのであれば、なんでも与えてあげたいくらい。じゃから、嬢ちゃんは我らにとって、妹のような存在なのじゃ。分かってくれるかえ?
妹が傷つくのは見たくないんじゃよ。」
妹…。
その言葉と優しさに心がムズムズした。
彼らが言わんとしていることは分かった。
けれども、だからこそ、
彼等に甘える訳にはいかない。
360人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*SSU* - 更・新・頑・張って・ください・ネ♪ (2020年4月17日 18時) (レス) id: b6be28c7e2 (このIDを非表示/違反報告)
矢澤こゆき - 初コメ失礼します。目は大切ですし、後悔しては遅いので治療頑張ってくださいね!!更新も楽しみにしてます。 (2019年9月23日 20時) (レス) id: 9da7dff2c7 (このIDを非表示/違反報告)
Lien(プロフ) - 更新楽しみにしてます!これからもがんばってください! (2019年9月23日 19時) (レス) id: 023ad1d1e4 (このIDを非表示/違反報告)
小豆 餅(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しみに見させてもらってます(*^ω^*)これからも頑張って下さい!応援してます! (2019年9月7日 9時) (レス) id: 803e6e2014 (このIDを非表示/違反報告)
萩(プロフ) - お菓子なこいしさん» それはもう!お菓子なこいしさまの好きなようにどうぞ!よろしくお願いします(土下座)(土下座) (2019年9月2日 16時) (レス) id: cfe465a6d3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:萩 | 作成日時:2019年5月17日 23時