21. ページ22
緋山先生side
ホットラインが鳴り、冴島たちがヘリで向かったため、受け入れの準備をしているとスマホが鳴った。
『こんなときに…はい。緋山ですけど…ぇ…はい。わかりました』
電話の相手は橘先生。
“Aが転落した。今からそっちへ向かう。受け入れの準備を頼む。”
うそでしょ…？
白石「緋山先生？」
頭が真っ白になり、立ち尽くしていると白石が眉毛を下げて話しかけてきた。
『Aが…』
白石「A？Aがどうしたの？」
『Aが…転落したって…』
白石「え？！嘘でしょ…？！」
やばい。
涙が頬を伝う。
白石「それで？！」
『橘先生が…今から…こっちくるって…』
白石「…わかった。準備する。」
聞き終わると、白石は真剣な顔になりみんなに指示を飛ばす。
白石「みんな。8歳の女の子が転落して今から運ばれてくるわ。名取先生、私と緋山先生とこっちでお願い。灰谷先生と横峯先生、それから藍沢先生はヘリで運ばれてくる患者をお願い。」
そしてまたこっちを振り返る。
白石「緋山先生。できる？」
『うん…大丈夫…』
大丈夫…じゃない。
けど、やらなくちゃ。
なんとか準備をしていると初療室の扉が開いた。
橘「緋山A、8歳。小児科の入院患者だ。4階の窓から転落した模様。移すぞ。」
1.2.3！
『うそ…』
橘先生が運んできてくれたAを見た途端、体が石のように固まった。
体は傷だらけになり、意識はない。
どうして…
白石「…先生…緋山先生！」
白石に呼ばれ、はっとなる。
白石「緋山先生！しっかりして！」
『あ…うん。ごめん…』
その言葉でやっと脚が動き、Aのそばへ行く。
名取「挿管します。」
橘「…骨盤は大丈夫そうだな。ただ、右上腕と右大腿骨損傷してる。藤川ー、ちょっとこっち来れるかー。」
藤川「はい！」
橘先生が骨折箇所を判断し、藤川を呼ぶ。
藤川はすぐに走ってきて固定に入る。
白石「内臓には問題は無さそうね…すごいわ。」
エコーを見ながら言う。
橘「落ちた場所がたまたま植木だったからだろう。」
名取「脳外に連絡して、CT予約しました。」
私も何かしなくちゃ…
そう思って傷口を見ようとした瞬間。
ﾎﾟﾛﾛﾛﾛ
白石「…！…心停止！」
『…！』
モニターにはゼロの文字と赤いランプ。
そして、一番聞きたくない、あの機械音。
その音が聞こえた瞬間、身体が勝手に動いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 715人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まちゃ(プロフ) - この小説ほんとに面白くて大好きです！！ (2018年6月16日 6時) (
レス) id: 827384ec1a (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 名取先生とかも出してほしいです (2018年2月27日 1時) (レス) id: b35bb8b960 (このIDを非表示/違反報告)
みろ(プロフ) - 智未さん» 喜んでいただけて嬉しいです。ありがとうございます。これからもよろしくお願い致します。 (2017年11月2日 19時) (レス) id: 8819c6dc4a (このIDを非表示/違反報告)
智未(プロフ) - リクエストに応えて頂きありがとうございます！とても、面白かったです！次のお話も楽しみです！これからも頑張って下さい！応援してます！ (2017年11月2日 18時) (レス) id: c6b9284cf3 (このIDを非表示/違反報告)
みろ(プロフ) - レインさん» ありがとうございます。 (2017年11月2日 17時) (レス) id: 8819c6dc4a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みろ | 作成日時：2017年9月7日 0時
