★02 ページ10
「よっ」
「久しぶり……でもないか、上がってよ」
少し控えめにはにかむ彼女はすっかり綺麗になったと思う。
全く焼けていない白い素肌に、真っ直ぐに見つめる大きな瞳、そして丁寧に切りそろえられた色素の薄い髪。
どこからどう見ても美少女といって過言ではない。
ふわ、と味噌汁の匂いが鼻をくすぐる。
そういや夜なんも食ってねぇや。
＿＿晩御飯俺にもちょうだい、なんて言ったら俺も手伝うことが決定した。
一緒に料理とか新婚みたいじゃない？
……口が裂けても言わないけど。
「カルマー、塩取って」
「はいよー」
「ってこれ砂糖じゃん！」
こんなこと考えた自分が照れくさくて、ちょっとしたおふざけを入れながら料理を作る。
幸い、気づいてないみたいだけど。
「＿＿いただきます」
完成した料理は濃すぎず薄すぎず丁度いい味付けだった。
途中、あんまりニコニコと笑うものだから何だか気恥ずかしくてつい小突いてしまった。
余計に笑ったその顔を見ると、誤魔化したのバレたな、と思う。
＿＿しばらくして、ようやく本題に入ることにした。
「どうだった？新しい担任」
一番に聞いたのはこれ。
多分口止めされてるからだけど、曖昧な答えのみが返ってきた。
ここまでは予想通り。
そうそう情報を得られる訳じゃないだろう。
「……Aちゃんさ、」
「ぅえ？な、何？」
この反応、やっぱりそういうところは変わらない。
だから不自然に思うのだ。
不意をつかれた時の、ビクッとした小動物みたいな動き。
その割に、
「随分、冷静なんだね」
ピリついた空気が包む。
……隠してるのは間違いない。
「＿＿ねぇ、前世の記憶があるって言ったら信じる？」
「……は？何言って……」
思わず口をついて出たのは、否定するような言葉だった。
＿＿はっ、と気づいた時にはもう遅い。
「なんてね。冗談だよ、冗談」
全てを隠すような笑顔が、どこか泣いてるように見えた。
「帰るの？」
「うん。ご馳走様〜」
……謝らないと。
E組行きに巻き込んでしまったこと。
ついでに停学まで食らわせたこと。
今、言おうとしたことについて、教えて？と。
「……美味しかったよ、Aちゃんはいいお嫁さんになれるね」
＿＿言おうと思った言葉は全部弾けて、気づけばこんなことを言ってた。
「じゃ、また〜」
恥ずかしさをつい誤魔化すように家を出た。
「……俺、Aちゃんのこと」
＿＿好き、だ。
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とある女の子(プロフ) - 続きの展開が気になりまくりです！！またいつかの更新楽しみにしてます♪ (2020年9月24日 23時) (
レス) id: 2532dffcac (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - すっごく面白かったです！夢主とカルマ君の関係、大好きです！これからも応援しています！ (2020年8月5日 11時) (レス) id: e77f932360 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：meer | 作成日時：2020年6月15日 22時
