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チラ、と外に目をやるとしんしんと雪が降るのが見える。
東京では珍しいホワイトクリスマスだ。
部屋の中は暖房が効いていて心地よく、まだ夕方だというのについウトウトしてしまう。
「ふあぁ……」
「何、Aちゃん眠いの〜？」
そう隣でおちょくる赤い髪の彼も普段より口調がゆったりとしている。
「そーいうカルマだって眠そうじゃん」
「俺はそんなことないって」
口ではそう言っているが、いつものイタズラをする時みたいな覇気がない。
「2人とも、眠いんだったらお昼寝してくる？」
「ふふ、まだまだ子どもなのねぇ」
見かねた母さんたちがそう言ってくるも、もう10歳になる私たちは何だか気恥ずかしく、口を揃えて「違う！」と否定する。
「ならお皿出すの手伝って。あなた達のお祝いなんだから」
そう。今日は私たちの誕生日パーティーなのだ。
私とカルマは家がお隣で、誕生日は一日違い。
オマケにクラスも4年生になる今の今までずっと同じという見事な腐れ縁だ。
また一緒かよ、なんて軽口を叩くが最早一緒にいる事が当然のようになってしまった。
「しょーがないなぁ……って、うわっ」
大きいお皿は高い位置にあるので(決して私が小さい訳では無い)、椅子に登って立ち上がったその時だった。
ぐるぐると回るタイプの椅子は見計らったのようなタイミングで半回転して私はそのまま椅子から落ちた。
「っ……！？Aちゃん！」
ガツン、と酷い音が部屋に響く。
……そして、走馬灯のようなものが見えた。
見えてしまったのだ。
小さな少女が道路にふらりと出ていく姿を。
それを見た制服を着た女の子が道路に飛び出していくのを。
運悪くそこへ大きな車が突っ込んで……そこには赤だけが残った。
「ちょっと……Aちゃん？大丈夫？」
カルマが慌てて駆け寄ってくるのが視界に映る。
「いったぁ……」
「無事、みたいだね。よかった」
ホッと胸を撫で下ろす姿に申し訳なさが溢れ出る。
「ご、ごめんね……」
「全く、気をつけなよ」
私が無事だと分かると、照れ隠しなのかすぐ顔を背けてしまった。
「A！？大丈夫！！？」
「うん、へーき」
「アンタ、本当に鈍臭いんだから……」
「まあまあ、無事で良かったじゃない。さあ、準備出来たわよ」
母さんは少し呆れ気味だが、おばさんの合図でパーティーが始まる。
2人の誕生日、クリスマスと色んなものが合わさったパーティーはそれは賑やかなものだった。
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とある女の子(プロフ) - 続きの展開が気になりまくりです！！またいつかの更新楽しみにしてます♪ (2020年9月24日 23時) (
レス) id: 2532dffcac (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - すっごく面白かったです！夢主とカルマ君の関係、大好きです！これからも応援しています！ (2020年8月5日 11時) (レス) id: e77f932360 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：meer | 作成日時：2020年6月15日 22時
