case.54 ページ7
「にゃ〜ん」
ある日の昼下がり、聞こえてきた猫の声に、Aは振り向いた。
…この猫、どっかで見たことあるような。
猫の前に屈んでじっと見つめる。
…よく見たらこの猫、ポアロの猫ではないだろうか。名は確か____
『大尉』
「にゃあん」
Aの答えに応答するかの様に、大尉はひとつ鳴いて、足元にすり寄って来た。
かと思えば、今度はついてこい、とでも言いたげにAを振り返りつつ歩き出す。
…何か嫌な予感しかしないけど、これが事件でこの猫が第一発見者なら放っておくわけにもいかないので、Aはついていくことにした。
暫くすると、とある公園に行き着いた。
その茂みの中に倒れている人影を発見。
『…君が第一発見者か、大尉。』
「にゃあ」
『手遅れ、だねぇ…。とりあえず警察に連絡しないと〜。』
そう呟きつつ、Aはポケットからスマホを取り出す。
そして取り出して気付く。
そういえば今日の依頼で何回目だろうか。うっかりスマホを落として壊したんだったわ、と。
つい先日、安室透こと降谷零に、連絡手段は常備しろとあれ程言われていたにも関わらず、相変わらず改善する様子のないAに、彼が知ったら嘆くに違いなかった。
ただ、目の前の惨状を放っておくわけにもいかない。Aは時計を見て、足元の猫にチラリと目をやった。
この辺に公衆電話はない。
…いつかの方法でいけるか?
いや、それはさすがに時間が掛かりすぎるだろうとAが頭を抱えたところで、見知った人影が目に入る。
「…あれ?Aさん?」
『…あ、コナンくん。』
「どうしたの?こんなところで頭を抱え、て…」
「…おい、く…コナンくん…」
Aの後ろに倒れている影を見た瞬間、瞬時に顔つきが変わったコナンと、その隣には色黒の青年。
『少年達、ちょうどいいところに。警察に通報してくれない?』
画面がばっきばっきに割れている壊れたスマホをAがひらひらと掲げれば、納得したようにひとつ頷いたコナンは、自らのスマホを取り出し耳に当てるのであった。
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q2n3qbzuWwYqZsD(プロフ) - 続き見てぇー (2022年8月5日 19時) (レス) @page22 id: c07b904298 (このIDを非表示/違反報告)
咲空(プロフ) - 氷月さん» ガイシャも被害者も同じ意味ですよ (2020年4月26日 23時) (レス) id: aaa3736e7c (このIDを非表示/違反報告)
氷月 - ガイシャではなく被害者ではないですか? (2020年4月15日 1時) (レス) id: acb67715b0 (このIDを非表示/違反報告)
椎名桃乃 - 夢主ちゃん可愛いです…!タイプです!w応援してます、頑張ってください! (2019年5月23日 16時) (レス) id: 87ecca1cfc (このIDを非表示/違反報告)
キリト - 赤井さんの名前を出した時の反応可愛い!続き読みたいです! (2019年5月2日 0時) (レス) id: 589d334356 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲空 | 作成日時:2019年2月11日 16時