case.51 ページ4
『…あの〜。何処に向かってるんですか〜？』
「………」
強引に乗せられた車内で、沈黙に耐えきれず訊ねるも、黙りの安室にAはうっかりでも沖矢昴の名を出したことを後悔した。
しかしこの辺りは見覚えがある。
そんなAの記憶通り、安室が向かっていたのは以前連れていかれた、彼が拠点とするセーフティーハウス。
駐車場に車を止めて、無言で降りたかと思いきや、助手席の方まで回ってきて、無言でAを所謂、お姫様抱っこなるもので抱き上げた。。
『…え、いや、あの…、』
数分前、“沖矢昴“という名を呟いただけだ。
それだけなのに、Aの予想を上回る範疇で安室…降谷零という男は、“赤井秀一“という男にただならぬ執念を抱いている様だ。
これは誤算だった、と彼女がこの状況で冷静にも考えている間に、気付けばベッドの上に下ろされていた。
「誰のことを考えている？」
漸く口を開いた降谷は、Aへと迫るようにベッドに乗り出した。
それに本能的に後退りしたAに、逃げられないように彼女の腰を抱いて、艶やかな瞳を向けた。
『ひぇっ……』
「目の前に僕という男がいるのに、他の男のことを考えるなんて随分余裕だな、A？」
『何か誤解をしているようですけど〜…私と沖矢昴さんは先程スーパーで初めて会ったばかりの初対面同士ですよ？』
「ホォ……なら取り敢えずそれは置いておくとして…あの袋の中身といい、この腰付きといい…またまともな食生活していないな？それに目の下の隈も凄い。」
『…セクハラで訴えますよ〜？』
「挙げ句、ストーカーには追いかけられて…僕が通らなかったら自分で何とかしようとしていただろ。」
『…いや、別にストーカーに遭うのも初めてじゃないですし…その度に自分で叩きのめしてましたから。』
「…だとしても。彼処で腕を掴まれでもしたら、君一人では振り払えないだろう。」
『…！？何を』
ｷﾞｼﾘ、とベッドのスプリング音が響いた。
押し倒された、と理解するのにそう時間は掛からなかった。
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q2n3qbzuWwYqZsD(プロフ) - 続き見てぇー (2022年8月5日 19時) (
レス) @page22 id: c07b904298 (このIDを非表示/違反報告)
咲空(プロフ) - 氷月さん» ガイシャも被害者も同じ意味ですよ (2020年4月26日 23時) (レス) id: aaa3736e7c (このIDを非表示/違反報告)
氷月 - ガイシャではなく被害者ではないですか？ (2020年4月15日 1時) (レス) id: acb67715b0 (このIDを非表示/違反報告)
椎名桃乃 - 夢主ちゃん可愛いです…！タイプです！w応援してます、頑張ってください！ (2019年5月23日 16時) (レス) id: 87ecca1cfc (このIDを非表示/違反報告)
キリト - 赤井さんの名前を出した時の反応可愛い！続き読みたいです！ (2019年5月2日 0時) (レス) id: 589d334356 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲空 | 作成日時：2019年2月11日 16時
