case.24 ページ25
何故彼は此処まで自分に入れ込むのだ。
調査対象にしては干渉し過ぎだとAは思う。
ハニートラップでも仕掛けてるつもりなのだろうか。
「そんなに頑なに一般人で有ることに拘る癖に、自ら危険に突っ込みに行く…危なっかしくて見ていられない。」
『…今回の件に関しては自分の不始末ですから。貴方方の手を煩わせる程では。』
「…なら聞くが。あの男は何故君を標的にした?それに…探偵をやっていたなんて聞いてないぞ。」
『そりゃ、言ってませんでしたからね。あの男に関しては私も分かりませんね。何処かで間接的に関わっているかも知れませんが、私は受けた依頼は全て記憶しているので。』
ところで、近くないですか?
Aは、何時かの車内での光景を思い出して、冷や汗を掻いた。
それに取り合う様子も無く、それどころか降谷はソファーの背凭れに手をついて更に距離を詰め、Aを逃がさないと言ったように問いを続ける。
「…君の情報収集力と身のこなし。警察庁に推薦されてもおかしくないレベルだ。だが、俺が調べた情報では警察学校の成績は当たり障りの無いもの。警視庁サイバー犯罪対策課の中でも第一サイバー犯罪捜査班にいて、当時も特に目立った動向はなかった。」
『…まぁ、はっきり言って、手を抜いてましたからね。下手に目立ってエリート街道歩むなんて御免だったんで〜。』
「…知ってるか?警視庁の中にICPO…つまりインターポールに突然引き抜かれた人間がいるって話…。」
『勿論知ってますよ〜。警察組織内では有名な話ですよね〜。』
「あれ、君のことだろう、千澄A。」
降谷の確信を持った問い掛けに、彼女は沈黙した。
琥珀色の右目に、彼を映して暫く見つめていれば、観念した様に溜め息を吐いた。
『…あの少年も君も諦めが悪そうだし、大出血サービスするって言ったのは私ですしね〜。仕方ない。ぜーんぶ話しますよ。どうせ貴方の事は知ってますし、この家から情報が漏れるなんて事は無さそうです。』
彼女がそう言えば、降谷は彼女の上から退いて、ドライヤーを構えた。
「なら、その髪を乾かしてから話を聞きましょうか。」
降谷はAの黒髪に指を通して、態とらしく零すのであった。
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trr - 続編待ってます!!!! (2018年12月10日 5時) (レス) id: 4ac3c5bb30 (このIDを非表示/違反報告)
咲空(プロフ) - 坂竹会長さん» ご指摘ありがとうございました!(´・ω・)っ【ティッシュ】 (2018年10月19日 13時) (レス) id: 1695bf9265 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - 更新頑張ってください。夢主ちゃんの設定がドストライクです。貴方が更新するたびに、僕の鼻からイチゴオレです←汚なッッッッ。 失礼しました。_ーд#_ (2018年10月14日 10時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ26、名前変換なっていませんよ。(名前)と向き合うってなってます。間違っていたらすみません 失礼しました (2018年10月13日 21時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです! (2018年9月27日 15時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲空 | 作成日時:2018年5月17日 1時