片翼の天使 Ⅱ (ページ29)

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起きると竜胆が横にいて
あれからずっと一緒にいてくれたんだって思うと
それだけで心が満たされる

寝息を立てて眠る彼の頭を撫でてると
玄関の方からガタンっと大きな音がした

竜胆｢ん……何の音…？｣

A｢わかんない、ちょっと見てくる｣

恐る恐る部屋を出て見に行くと
壁にもたれて、ぐったりする蘭の姿があった

A｢蘭！？｣

蘭｢おー、悪ぃ、起こした？｣

A｢ちょっとどうしたの！？
血まみれじゃん！｣

ふらつく蘭に肩を貸して
リビングのソファーに座らせて手当をする
けど、頭を切ってるのか血が止まらない…

竜胆｢兄貴、どうしたんだよそれ｣

蘭｢んな怖い顔すんなよ、ほとんど返り血だって
うちのバカ共は片付けもろくに出来ねぇから｣

竜胆｢なんで言ってくんねぇんだよ｣

蘭｢オマエいなくても片付いたし｣

竜胆｢はぁ？｣

蘭｢なんだよ｣

A｢待って待って！喧嘩しないでって。｣

いがみ合う2人の間に入る

すると落ち着いたのか竜胆は床に座って頭を抱えた。

A｢ちょっとタオル洗ってくる、
私いない間に喧嘩しないでよ！？｣

Aが出ていくと兄貴がやっと口を開いた

蘭｢黒川イザナの妹を探してるやつがいる｣

竜胆｢は？｣

蘭｢六破羅の中に情報を流してる奴がいる。
俺を襲ったやつもその仲間だ、
今日ハッキリした。相手はひとりじゃねぇ。
竜胆、オマエはAの側にいろ。｣

竜胆｢何言ってんだよ、俺も｣

蘭｢俺一人でやるって言ってんじゃねーよ。
オマエはあいつを守ってやれ｣

A｢蘭、お風呂沸かしたから入っておいで。
気持ち悪いでしょ？｣

蘭｢おー｣

竜胆｢兄貴…｣

蘭｢俺なら大丈夫。
頼んだぞ、竜胆。｣

竜胆｢ん…｣

A｢はい、これ着替えね｣

蘭｢ありがと、｣

A｢竜胆？どうしたの？｣

どこか遠くを見つめる竜胆の顔を覗くと
ハッとして、なんでもない。と笑った