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【神威】
Aを家に送り届けた後、俺は正面から歩いてくる男の眼差しに気づいた。
鋭い瞳は俺を敵視していた。
こういう目で見られるのは慣れっ子だし、俺はそいつを知っていた。
神威「さてと。言いたいことがあるみたいだから場所移して話さない?ここで騒ぎを起こしたらAに気づかれちゃう」
俺は笑顔を向けて言った。
すると"奴"は鋭い瞳とは裏腹に落ち着きのある声で言う。
沖田「Aに近づく理由はなんだ?夜兎高の番長さんよ」
俺を番長と知っているAの幼なじみ。
なるほど。
俺のこと調べてあるらしい。
神威「番長だとAに近づいちゃいけない理由になるの?^^」
沖田「それだけで俺が言うと思うか?」
俺は笑っていた目をスーッと開いた。
ここからはこれでいいだろう。
俺の顔から"笑み"が消える。
神威「Aには前々から目を付けていた…知らないのはAだけみたいだ」
沖田「あいつはな……だが俺は二年前からテメェの視線に気づいていた。そしてその目はあいつに向けられてるってな」
勘がいい奴は嫌いじゃない。
こいつも俺と同じ匂いがする。
まだ隠しているだけで、その血は疼いているんだろう。
────────いつだって俺と1戦交じ合えるって。
神威「……なら身を引けよ。俺はずっとAに近づきたくてうずうずしてたんだ」
沖田「悪りぃが断る。テメェのような悪にAを譲ってたまるか」
Aのこと、これだけ縛っておいてあんたは違う女を選んだんだろ?
"幼なじみ"だからってAを縛ったことが、Aを苦しめているとも知らずに。
神威「本当の悪はどっちか良く考えるといい。あんたの行動────────すっごく目障りなんだよ」
俺はそれだけ言うと微笑んだ。
そのまま幼なじみの横を通り過ぎる。
A…これはあんたのためだよ。
あんたの好きな男を傷つけたらせっかくこんなに親しくなれたのに嫌われちゃうからね。
俺は握った拳の力をそっと緩めた。
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瑠々亜(プロフ) - literarymastertさん» コメントありがとうございます。更新頻度が遅れてしまって申し訳ないです(><)素敵なカップルを書けるよう頑張ります! (2018年10月1日 23時) (レス) id: 95173b8ff8 (このIDを非表示/違反報告)
literarymastert(プロフ) - こういうカップル好きです!笑ニヤニヤしながら見てます!!更新頑張ってください!笑 (2018年10月1日 23時) (レス) id: 2fed73faab (このIDを非表示/違反報告)
瑠々亜(プロフ) - 蛍さん» コメントありがとうございます。ここ数日忙しくて更新めっちゃ遅れてますが、皆さんの温かいコメントを頼りに更新頑張ります! (2018年9月29日 14時) (レス) id: 95173b8ff8 (このIDを非表示/違反報告)
蛍 - 神威くんと夢主ちゃんが可愛いすぎて辛いです!!更新大変だと思いますが頑張ってください!これからも応援してます^^ (2018年9月26日 20時) (レス) id: e7281059f9 (このIDを非表示/違反報告)
瑠々亜(プロフ) - ティアーさん» コメントありがとうございます。もう高評価して頂けただけでも大満足です(T_T)ご期待に添えるような作品になるよう更新頑張ります! (2018年9月25日 13時) (レス) id: 95173b8ff8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠々亜 | 作成日時:2018年9月12日 20時