10話 日常茶飯事 ページ10
…そして、あの日から現在。
右手にビニール袋を持ち、はじめさんの家へ。
仕事を辞めるまでの間、
自分のお仕事を全て片付けてようやく初出勤。
こういうのって緊張するんだと思ったけど
全然平気。むしろ、楽しみで仕方がない。
私はためらいもなく、インターホンを鳴らした。
…しかし、出る気配がない。
約束の時間、間違えた？
はじめさんの連絡では、午前11時だったはず。
迷っているとドアが勢いよく開いた。
「はぁ、はあ…Aさん、どうぞ」
ともたかさんが息を切らしながら、
私を招き入れてくれる。
「お邪魔します。…どうしたんですか？」
「あ、えっと…ちょっと、だいちくんの攻撃を避けてきたというか」
攻撃？
ともたかさんは申し訳なそうに私に話し出す。
「部屋が今、大変なことになってるんすよ…」
大変なこと…
部屋が片付いてないとかかもしれない。
「そういうの気にしないので…大丈夫ですよ」
「…すみません、でも多分見たらびっくりすると思うんで」
ともたかさんがお辞儀をしているのをみて
何だか心配になってくる。
そして階段を上がって、上へ辿り着くと
…部屋中が、水浸しになっていた。
私の予想より遥か上を超えている。
ともたかさん以外の4人は、
床をタオルでごしごしと拭いている最中だった。
「あ、Aちゃん…こんな状態で出迎えちゃって申し訳ねぇ…」
はじめさんが申し訳なそうに表情を曇らせる。
ぐっしょりとぬれた服が体に張り付いていた。
「いえ、いつもこんな感じなんですね…」
「…ごめん。Aちゃんが来ること忘れてやらかしました」
そう言いながら、だいちさんが頭を下げていた。
この様子からだいちさんが何かをやったのかな。
私が、出来ることは…もちろん。
「…みなさん寒そうなので、温かいものでも作りますね」
「うわぁ、ありがとうございやす…！」
これが、彼らの日常なんだ。
YouTuberのお仕事が目に焼きついた瞬間だった。
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影裏(プロフ) - 更新まってます！！ (2022年6月6日 4時) (
レス) @page33 id: 54dee88f37 (このIDを非表示/違反報告)
カシスちゃん - 次のお話が気になります！ 更新待ってます (2019年10月24日 2時) (レス) id: df66e26c2f (このIDを非表示/違反報告)
名無し22819号(プロフ) - コメント失礼します、1話から全部読みました！いいお話ですね！一つ質問なんですが、このお話は誰オチですか？ (2019年10月8日 13時) (レス) id: 422de7f24a (このIDを非表示/違反報告)
麗音 - 最近見始めました！ (2019年9月21日 9時) (レス) id: f13e29755c (このIDを非表示/違反報告)
みりんみみ(プロフ) - かなちぃさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません。ありがとうございます！いつでも振り返られるように工夫してみました♪ (2019年8月17日 13時) (レス) id: d6ce8c8a6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みりんみみ | 作成日時：2018年12月23日 15時
