4話 夜の迷子 ページ4
今日の配達を終えて車で家に帰る。
「はー…疲れた」
交通量の少ない道路を走って行く。
途中、赤信号で止まっていると
「…ん？」
何かが歩道で動いているのが見えた。
誰かこちらに手を振っている…？
とりあえず車を端に寄せて停車し
ドアを開ける前に、窓越しに見てみる。
「…あ、」
身長が高くて細い体つき。
「はじめさん」
でも何故こんなところに？
私が運転席を降りると
「あの、すみませ…ってAちゃん！？」
半泣きになりながら駆け寄ってきた。
「こんなところでどうしたんですか」
「いや、実はねぇ…ここら辺で撮影してて…」
はじめさんは、うなだれながら私に話す。
「スマホの充電切れて途方に暮れてました…」
よく見ると、白衣のようなものは
茶色く泥だらけになっている。
「はじめさん1人で来たんですか？」
「そう。適当に歩いてきたけど、わかんなくなって」
確かに、この辺りは外灯が少ないし真っ暗だ。
鞄からスマホを取り出し、そっと渡した。
「とりあえず、誰かに連絡して下さい」
「ありがとうございます…！」
はじめさんは何度もお辞儀をして
番号を入力し、電話をかけた。
しかし、通信中の音が何度も鳴り続ける。
「…出ない、あいつらどこ行ったんだ…」
はじめさんは寒そうにくしゃみをした。
その薄着の恰好じゃ、風邪ひいちゃう…
「…もしよかったら、私の家に来ますか？」
自分でもどうしたらいいかわからなかったが
頭の中で、思い浮かんだことを口にしてみる。
「いや…それは…Aちゃんに申し訳ない…」
「…でも、ここに居たら寒いですし」
放っておけるわけがない。
「えーと…じゃあ、お願いしてもいい…？」
私に申し訳なさそうな顔をしてスマホを渡した。
「わかりました。助手席に乗って貰えますか？」
「本当にありがとう…」
こうして、私ははじめさんと共に
家へと車を走らせた。
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影裏(プロフ) - 更新まってます！！ (2022年6月6日 4時) (
レス) @page33 id: 54dee88f37 (このIDを非表示/違反報告)
カシスちゃん - 次のお話が気になります！ 更新待ってます (2019年10月24日 2時) (レス) id: df66e26c2f (このIDを非表示/違反報告)
名無し22819号(プロフ) - コメント失礼します、1話から全部読みました！いいお話ですね！一つ質問なんですが、このお話は誰オチですか？ (2019年10月8日 13時) (レス) id: 422de7f24a (このIDを非表示/違反報告)
麗音 - 最近見始めました！ (2019年9月21日 9時) (レス) id: f13e29755c (このIDを非表示/違反報告)
みりんみみ(プロフ) - かなちぃさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません。ありがとうございます！いつでも振り返られるように工夫してみました♪ (2019年8月17日 13時) (レス) id: d6ce8c8a6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みりんみみ | 作成日時：2018年12月23日 15時
