吉原と愛に響く旋律。 (ページ8)

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紫を起こさないように
四つん這いで襖に近づく。

そっと開けて部屋から出ようとしたけど
出られなかった。

謙「いっ…！？」

透明な壁があるみたいだ。
出ようとした拍子に頭を打った。

目の前に廊下が見えるのに
そっちに行けない。

謙「マジかよ……」

当然、窓からも出られるはずなかった。

その場に座り込む。

萩ちゃん、美勇人、さなぴー、ながつ、顕嵐、モロ
明日の収録すっぽかしたら怒るだろうなー。

てかめっちゃ迷惑かかんじゃん…。

謙「はぁ……」

成す術がなくなって諦めがついたのと
仕事で疲れてたからか
急に睡魔が襲ってきた。

俺はそのまま目をつぶった。

・

謙「………ん。」

目が覚めると見慣れた天井。

え……？

俺は自分のベッドの上にいた。

飛び起きると洋服は昨日のまま。

戻ってきた…？

てかやっぱ夢？

そんなはずはない。
痛みも、畳の感じも襖を開ける感触も
全部リアルだった。

下に、金平糖の小瓶が転がっていた。