嘘つきといわれた笑顔 ページ8
キルア「アンタ、すっげー変だよ」
膝を立てて片手で頬杖をしながら、目も合わせずに言われた言葉の意味を考えた。変、かぁ。
「どんな感じに変？」
面白いとか言ってくれたほうが、嬉しかったんだけど。いやでも、彼はさっきから楽しそうな素振りを一度も見せていないからきっと面白くないのだろう。私と同じ、退屈していたんだ。
キルア「そーゆーのだよ、初対面でそんな変なこと言うやつ、アンタ以外にいねーよ」
やっぱり、どの言葉が変だったのかわからないな。彼は横目で私を見たあと、指をくるくる回して手遊びをする。
「そっかぁ、多分私、田舎者だから君みたいにうまく話せないんだと思う」
私も真似をして、彼と同じように人差し指をくるくる回した。
「君がよければ、うまく話すコツを掴むために練習相手になって欲しい」
さっきの缶ジュースの借り、として。
キルア「いーよ、さっき缶ジュース貰ったし」
彼は私の予想していた通りの返事をして、やっと私の方を向いてくれて、そして、目を合わせた。
「ありがとう、君にジュースをあげて良かったよ。ではまず……と言っても、こういうのは自己紹介からするものなのかな」
彼は先程のトンパさんと違って、自己紹介を省いたので、もしかすると彼にいきなり自己紹介するのはいけないのではと思い、聞いてみる。
キルア「うん、それでいーよ」
そうか、どうやら杞憂だったようだ。
「ありがとう。私はAといいます。年齢は…トップシークレットということで」
人差し指を口元に持っていき笑うと、彼は興味がないといった感じに、ふいっと目をそらした。
キルア「キルア。12歳」
なるほど、キルア。
「その名前は、誰につけてもらったの？」
キルア「家族だと思うけど」
「じゃあ、いい名前だ」
キルア「は？なんで」
「それは教えられないな」
私は悪いやつだから、意地悪だってするんだぜ。
キルア「変なやつ」
「私は君の正直なところ、結構好きなんだけど」
キルア「やっぱ変なやつ！何か企んでるだろー」
予想外の返事だったから、嘘だよって言えなくなったじゃないか。
「そうだよ、実は私は吸血鬼だから、隙をついて君を暗がりに連れ込んでから血を飲ませてもらおうと思っていたの」
私が言うとキルアは笑って、こう言った。
キルア「やっぱりな！ほんとA頭おかしすぎんだろっ！」
無邪気な笑顔をみて、私も笑ったのかもしれない。(これは多分きっと嘘なのだ)
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ナツメ(プロフ) - 奈乃さん» ありがとうございます！奈乃さんからのお言葉を励みに頑張ります！ (2017年8月21日 18時) (
レス) id: 11619fb97c (このIDを非表示/違反報告)
奈乃(プロフ) - 更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2017年8月21日 18時) (レス) id: 26a98954d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツメ | 作成日時：2017年8月2日 12時
