数秒間 ページ44
ぐっ、と伸びをして、欠伸をしてから、いきなり始まるラジオ体操第一。長い間ヒソカと座って遊んでいたから、体が固くなっちゃった。伸ばすたびに身体中のあらゆる骨がゴキッ、ゴキッ、と嫌な音をたてる。全身楽器みたい。今ならボノレノフと音楽隊を結成したっていい。いや、でもアイツ、悪いやつじゃないんだけど喋ってる時に変な間が多くて会話が続かないんだよなぁ。解散！
そういえば、そろそろ試験も終わる頃なのに、ゴンたちの姿はない。見てるかぎり、まだ20人くらいしか来てないけど………まさか脱落？
『残り1分です』
スピーカーでカウントダウンの放送が入る。既に合格した受験者たちは、座ったり立ったり、各々好きなようにしているが緊張した面持ちだ。
「遅いなぁ…」
そんな風に呟いてから１秒もたたないうちに、ちょうど視線を置いていた扉がゴゴ、と重そうに開いた。
キルア「ケツいてー」
ゴン「短くて簡単な道がスベリ台になってるとは思わなかった」
出てきたのはキルアとゴンとクラピカ。こら、おしりって言いなさい！とか馬鹿みたいに突っ込んでいこうかな、と思ったが、やめた。だってそんなに面白くないもんな。
『残り30秒です』
レオリオとかいう男性は一緒じゃないのか。
なんて、扉の奥で我先にとトンパさんと揉めている姿を見て少しでも気にかけた自分が恥ずかしくなるのだ。
レオリオ「全くイチかバチだったな」
クラピカ「だがこうして5人そろってタワーを攻略出来た。ゴンのおかげだな」
見ろよヒソカ、あのグループの清々しそうな表情。苦難を乗り越えてきたって感じ。まるで漫画の主人公みたいね。それに比べて私達は、適当に人を殺して難なくクリアだ。焦燥感の原因はこれかもしれない。きっと私達、彼らよりも早く死ぬよ。
ゴン「あっA〜〜〜〜！！良かった！合格したんだね！」
ゴンの声が近づいてくる。私は靴のつま先をトントン床に打ち付けたり、前髪を横にわけたりして、ほんの数秒で目の前まで来て立ち止まったゴンににっこり笑いかけ、手を伸ばす。
「当たり前だぁ〜〜〜〜ばかやろっ」
歓迎するように、わしゃわしゃと頭を撫でながら、キルアの方に目を向ける。しかし彼は撫でられるとわかっていて寄ってきたりはしない。キルアは微妙な表情でこっちを見てる。
「キルアくんも久しぶり〜元気かな？」
キルア「なんだよそのノリ」
「いいでしょ〜私達仲良しなんだから」
だから、出血大サービスで撫でさせてくれよな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 92人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナツメ(プロフ) - 奈乃さん» ありがとうございます！奈乃さんからのお言葉を励みに頑張ります！ (2017年8月21日 18時) (
レス) id: 11619fb97c (このIDを非表示/違反報告)
奈乃(プロフ) - 更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2017年8月21日 18時) (レス) id: 26a98954d3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ナツメ | 作成日時：2017年8月2日 12時
