ハズレということ ページ36
さっきの奴、私が選んだ方を“ハズレの道”と言ったが…何なんだ？あれから1時間は歩いたが、何も現れる様子はないし何の気配もない。ハズレってただ道が長いってこと？ハンター試験のハズレって、そんな子供の迷路絵本みたいなものでいいの？
しかし持久力の試験ならもう昨日やっているんだよ、つまらないし勘弁してほしい。それにしてもどれだけ高い塔なんだ。
…………本当に高すぎるな。私が歩いたのはトータルでだいたい1時間30分。１分間に100m進むとしたら、だいたい9kmくらいか……ああ！駄目だ！ついに頭が可笑しくなったか！
いいや、待て。落ち着けよA。これはちゃんと考えればわかるんだ。
私は普通に歩いているようで少しずつ下に降りているはずだ。そうでもなけりゃこの塔に9kmなんて一本道作ることができない。
そうだ！後ろ！さっきまで歩いてきた道はどう見えるだろう。思い付きで踵を返してみて、驚いた。すぐそこに壁があるのだ。何だこの壁、いつからあった？今できたのか？
とにかくこういう怪しいのは潰すにかぎる。鉛玉を三発ほど撃ち込んでから壁を蹴れば、ガラガラと音をたてて、簡単に崩れた。崩れた壁の奥には面白いものが見えた。
「あぁ、なるほどねぇ…」
まんまとハメられたわけか。つまり真相はこうだ。私がヒソカと別れて、別々の道を進んだところから既にトリックの準備はされていた。
私はあれからずっとこの壁に追われながら道を進んでいたのだ。
しかも、最初のあの部屋に行くまではどういうわけか下りの道を歩いていた。そして、あの部屋から奥に進んだ時から、どういうわけか登りの道を歩いていた。
ああ！なんでわからなかったんだ…下りとか登りの道を真っ直ぐの一本道だと錯覚したのは何か相手による別の力(例えば念能力とか)が加わっていたとしても、すぐ後ろをずっと壁につけられていたことくらい気付けよ！どんなに道をうまくやっても、後ろを見られたら一瞬でバレるからわざわざリスクを負ってまでこんな仕掛けにしたんだ。
まぁ、反省会は後だ。最低なことに今私はかぎりなく塔の最上に近い場所にいる。一時間も登ったからな。
そして最高なことに、壊した壁の奥に現れたのは、頑張って歩いた道が滑り台に早変わりしている光景だった。
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ナツメ(プロフ) - 奈乃さん» ありがとうございます！奈乃さんからのお言葉を励みに頑張ります！ (2017年8月21日 18時) (
レス) id: 11619fb97c (このIDを非表示/違反報告)
奈乃(プロフ) - 更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2017年8月21日 18時) (レス) id: 26a98954d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツメ | 作成日時：2017年8月2日 12時
