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育ちの悪さ ページ34

「ねぇ、悪いけど前を歩いてくれない?」
ヒソカの前を歩いてると嫌でも気味の悪い視線を感じて駄目だ。ヒソカはうんとも言わずに私を追い越した。それにしてもいつまでこの長い通路が続くんだろう。かれこれ20分くらい歩いてるけど、そのわりには何の仕掛けもないし。もしかして知らない間に少しずつ下へ降りてるのか?そうだとしたら私の方向感覚はどこへいってしまったのだろう。
「何だか君って僕に対して全然態度違うね♦それともこれが本性?」
いきなり振り返って何を言うかと思えば…私は思わず目を見張った。は?こいつは私にそんな図々しいこと聞けるのか?頭の中で外れてるのはネジなんて可愛いものじゃないだろう。でも確かに、私はヒソカに他より冷たいかもしれない。そもそも成人男性に優しくするつもりがないしなぁ。世界一可愛い成人男性なら別だけど。
「君は思ってたより図々しいね。でも答えてあげるよ。私が君に対してこういう態度をとるのは、それが一番適切だと思っているからさ」
本性なんて、自惚れてくれるなよ。勘違いも甚だしい。
「ふーん♠」
自分から話しかけたくせに空返事か。やっぱりこいつは絶対に育ちが悪い。なにしろこいつの笑顔はただの人間が演じる作り笑いじゃない。人を超絶不快にさせる才能みたいなものがある。普通に生きていない証拠だ。
しばらく進むと、分かれ道にさしかかった。立て札には、“この先は別れて進むこと(二つのうち、どちらかの道はハズレ)”なんて書かれている。
「じゃあ私はこっち行くから」
「じゃあ僕はこっちだね♣」
私が右を選んだため、ヒソカは左を選んだ。どちらの道がハズレかなんて、いくら思案してもわからない。結局は運任せじゃないか。
でもハズレでも大丈夫だろう。巨大なダストボックスに落ちる、とかじゃなければ。
あんな立て札で喧嘩をするほど私たちは仲良くもないし、用心深くもない。
だからあっさり二手に別れて、それぞれの道を進めるのだ。

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ナツメ(プロフ) - 奈乃さん» ありがとうございます!奈乃さんからのお言葉を励みに頑張ります! (2017年8月21日 18時) (レス) id: 11619fb97c (このIDを非表示/違反報告)
奈乃(プロフ) - 更新楽しみにしてます。頑張ってください! (2017年8月21日 18時) (レス) id: 26a98954d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナツメ | 作成日時:2017年8月2日 12時

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