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正直な嘘つき ページ13

キルア「Aは?」
「え?何の話だっけ」
知らないうちに進んでいた話をふられて、自分だけの世界から急に引き剥がされた。
キルア「Aはなんでハンターになりたいのかって話」
まぁ、今の流れで私に話が回ってくるのはごく自然なことだろう。私は最もそれらしい返事を返す。
「もちろんなんでもできちゃうライセンスが欲しいが故だよ!」
キルア「…ふーん」
どうやら、彼の期待はずれの回答をしてしまったようだ。自分から聞いといてこの反応、やっぱりキルアはちょっぴりわがままな子だ。しかも会ったばっかりなのに気を遣わず本当の表情を見せてくれるなんて、嬉しくてたまらないな。
ゴン「Aは普段何してるの?」
ゴンの発する言葉は全て悪意のないものに思えるから、ゴンが嘘つきになったら世界中がびっくりしちゃうだろう。正直者だから嘘つきに向いている。
「んー?実は私、とある団体に所属しているんだ。普段はそこでボランティアみたいなことをして生活しているよ」
ゴン「ボランティア?」
「人の役に立つこと」
ゴン「そっか…すごいね、俺考えたこともなかったや!」
ゴンはまだ純粋無垢だから、人のためにと意識して何かすることがあまりないのかもしれない。そういうところが人のためになってるんだよな〜バカ野郎〜
キルア「ふーん、お前さぁ………」
黙っていたキルアが急に話し出すということは、私の話を聞いてから何かに気付いたってことかな、吸血鬼関連か。
キルア「吸血鬼じゃねぇだろ」
「あはっ、へへへへへ〜」
キルア「な、何だよ!変な顔すんな!」
キルアの面白いところはやっぱりこういうところだ。バカなくせにドッジボールのルールを厳守する子供みたいに真剣。そういうところがまったくバカじゃない。
「吸血鬼だって言ってんじゃんか〜〜〜」
私を見ながらしどろもどろするキルアがまた面白くて、次はゴンと顔を見合わせて笑った。さっきからずっと笑ってる。
キルア「ほんっとお前って変なやつ……」
今度は照れ臭そうに顔を背けて溜め息まじりに呟いてる。
「いや〜でも私はキルアのこと大好きだよ」
こういう不器用な子を見ると、ちょっとだけ意地悪したくなる。
キルア「うるせー」
ゴン「俺も二人のこと大好きだよ」
キルア「ゴンまでノッてくんなよ!」
ゴン「あははっ、キルア照れてるー」
キルア「照れてねーよ!」
ふと前を見ると、普段はわからなかった地上の光が地下道からは眩しく見えて、目がチカチカした。

偽者の→←私が持っていないもの



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ナツメ(プロフ) - 奈乃さん» ありがとうございます!奈乃さんからのお言葉を励みに頑張ります! (2017年8月21日 18時) (レス) id: 11619fb97c (このIDを非表示/違反報告)
奈乃(プロフ) - 更新楽しみにしてます。頑張ってください! (2017年8月21日 18時) (レス) id: 26a98954d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナツメ | 作成日時:2017年8月2日 12時

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