行ってらっしゃいのキス ページ5
「だって本当の事だもーん。」
…なんて、イチャイチャしてるとチャイムの音が聞こえてきた
ドアを開けると彼のマネージャーさんが立っていて智君を呼んできて欲しいと言われた
私は奥に居る智君に声をかけると寂しそうな顔をしてマネージャーの元へ向かう
智「あーあ…。
Aと離れるなんて嫌だー。」
「我が儘言わないの！！
でも、あれ？
タクシーじゃなかったでしたっけ？」
マ「不安になって迎えに来ちゃいました。
それにAさんが大変かと思いまして…。」
「そうだったんですね。
あっ…そうだ！！
まだ朝食べてなかったよね？
マネージャーさん…。
5分だけ時間貰っても大丈夫ですか？」
マ「5分位なら大丈夫ですよ。
大野さん、何も問題は起こしてませんか？」
「ありがとう御座います。
智君なら大丈夫でしたよ。
急いで持って来ます！！」
それから私は急いでキッチンに戻ると彼の分まで用意していた朝ご飯をタッパーに詰めて彼に手渡した
智「これ…。
朝食べるつもりだった奴じゃん。
ありがとう…。」
「そんな礼言われる事してないよ。
朝、時間なかったから昼にでも食べてね。
お仕事行ってらっしゃい！！
タッパーなら次、来た時で良いから！！」
智「ありがとう。
俺、本当に幸せ者だな…。
頑張ってくるよ。
また時間出来たら連絡する。
タッパーも返しに来るから。」
「私も幸せだよ。
うん。
でも本当に時間が出来たらで良いからね。
タッパーだって何時でも良いから。」
智「おん…。
あっ…そうだ最後に…。」
チュッ…
私の唇にキスを落とすとアイドルスマイルを振り撒きながら手を振ってドアの向こうへと消えていった
今日は久し振りの休日
溜まっていたARSの番組を見る事にした
確か一番最後に見たのがあれだから次は…
リモコンの再生ボタンを押そうとした手が止まる
見ようとしていたのは彼が単独でやっている番組だった
彼を見ると、あの日の記憶が蘇りそうで怖くて結局、再生ボタンは押さずにそのままテレビ自体も消した
静まり返った部屋…
あっ…
よくよく考えたらこの部屋…彼のポスターや写真が沢山貼ってあったんだ…
でも智君、全くそれを口に出さなかったよね…
二日酔い気味で眠そうだったから全く気付かなかったのか…
それとも気付いたけど黙っててくれたのか…
どちらにしても次、来るまでには外しとかないと…
智君の恋人なのにいつまでも彼を引きずってちゃ駄目だよね…
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作者名：和也☆章大☆忠義Love | 作成日時：2017年10月11日 23時
