【安室透】私はブサイク専門【降谷零】

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気遣いがあまりにも出来すぎている。

淡々と話すAに安室は笑いながらコーヒーを飲んだ。

気のせいですよ、と誤魔化したりはぐらかそうと普通ですよ、と言ってのけた。

しかしAの中での疑問はますます大きくなる。



「ねぇ、私お母さんが観光したいって言った？」

「わざわざ電車を乗り継いできたんですよね、だったら結構遠くの方かと思いまして」

「それに日帰りかもしれないのになんでホテルなんてとったの？」

「確かに日帰り、とも言ってませんし泊まるとも言ってませんね」

「ねぇ、あんた何もん？」

「何と言われましても…」



困りましたね、と安室スマイルを繰り出す目の前の男にAの眉間にしわがよる。

何回かお母さんは遊びには来たことがあるし、日帰りもあれば泊まりもある。

私からしてもどちらかという選択は2分の1なのだ。

今回はまぐれと言い聞かせてもいいかもしれない、しかし私は納得出来ないでいた。



「…だとしてもありがとう…」

「いいえ、Aさんの彼氏ですから」

「だから(仮)な、か り」

「…(仮)じゃないとダメなんですか…？」

「ダメって言うか…もう裏切られたくないし」

「僕が裏切るとでも？」

「私より可愛い子が来たらどうする？」

「別にどうもしませんけど」

「私より頭のいい人が来たら？」

「素直に尊敬しますよ」

「私より料理も洗濯も出来て、家事でもなんでもこなせる女のひ…何笑ってんのよ」

「だって…ぷっ…」



それ全て当てはまるのAさんじゃないですか。









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「Aさーん！トイレにいつまでこもってるんですかー？！」

「……」

「ちょっと！？寝ないでくださいね！開けたくても開けられないんですから！？」



熱い体はお酒のせい。

そうです、お酒です。

この心拍数もお酒です。

だから否定したかった。

私があんな殺意マジックに惚れるわけないと。

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