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可愛い服より動きやすい方が好き。
そう言ったのに目の前の男は試着しろとでも言いたそうに服を持ってくる。
着ないよ、と短く選んでいる服を見ながら言うとあからさまに落ち込んだ。
黄色い声が遠くから聞こえたが無視無視。
「Aさんに似合うと思って…」
「うん、でも着ないよ」
「残念です…」
店員なんて今か今かと話したそうにしているが睨むとそそくさと奥へと消えた。
ズボンを数着選んでから上の服を見ようと店内を回る。
ダメですか?とまた懲りずに聞こえて私が折れた。
奪い取るように服を安室さんの手から離すと1回だけね、と念を押す。
ぱぁぁ!と明るくなる顔にげんなりしていざ試着室へ。
「…よりにもよってワンピースとは…」
「か、可愛いですAさん」
「おい、写真1枚5000円だぞ」
「カードでいいですか?」
「ふざけんな」
シャッター音にイラついていると今だと店員が割り込んできた。
それに合う上着もありますよーやら靴もありますよーとあの手この手で売ってくる店員。
見たいです、と笑顔で対応する安室さん。
うん、帰りたい。
「1式買います」
「は?」
「お買い上げありがとうございます〜」
ちょ、まて!おい!
スタスタとにやにやする店員ににこにことついて行く安室さん。
力なく立ち尽くしていると靴を真剣に選ぶ安室さんが良いですね、とレジに持っていく。
まって、折角お金のことがチャラになったのにまた降り出し!?
「良いです良いです!今度またきましょう!」
「本当にまた来ますか?」
「え」
「振り出しに戻る、って思ってませんか?」
「え」
「図星ですね、残念ですが僕の方が1歩早かったようです」
いつの間に!?とレジへ顔を向けるとカードを通している店員。
おいいいいいいい!!!
今のキャンセルで!?と店員に言うもおずおずとカードを返しながら「もう通してしまいました…」とのこと。
おーいえす
ぽん、と肩に置かれた手に後ろを振り返ると極上スマイルの安室さん。
「今度はこの服でデートしましょうね」
興奮する店員の声に「あ、こいつ嫌い」と再確認した。
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「お疲れ様でした」
「夜ご飯食べないんですか?」
「疲れたので」
「でしたら僕が作りますから家に来ますか?」
「疲れたので一刻も早く寝たいんです」
「…すみません…」
謝るのやめてよ、私が悪いみたいじゃない。
後部座席を見ると袋の山が見え小さなため息が出た。
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+ちっく(プロフ) - ぬこぬこさん» コメントありがとうございます(*´ω`*)いくら有名な探偵でもちょっとのお色気はお約束なので安室さんにも織り込んでみました(・∀・)楽しく見て頂けるようにと投稿しているのでそのように言ってくるととても嬉しい限りです(*´ω`*)コメントありがとうございます!! (2019年3月10日 1時) (レス) id: 0aa7522e6f (このIDを非表示/違反報告)
ぬこぬこ(プロフ) - 安室さんが冷静な目で谷間ガン見してるの想像したら腹痛いwww (2019年3月9日 13時) (レス) id: a359276646 (このIDを非表示/違反報告)
+ちっく(プロフ) - 明里香さん» ありがとうございます!!誤字脱字の指摘本当に感謝致します(´;ω;`)読んでいる方にもちゃんと理解して貰えるように誤字脱字を少なくしていきます!(;ω;´)読んで下さりありがとうございます! (2018年7月15日 10時) (レス) id: 6cb750888f (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 39話に誤字がありました。「飲んだいた」ではなく、「飲んでいた」です。 (2018年7月15日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 1話に誤字がありました。「楽しうな」ではなく、「楽しそうな」です。 (2018年7月14日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:+ちっく | 作成日時:2018年7月9日 17時