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"それ"は泣き疲れたのかスヤスヤと規則正しく寝息をたて"女"の腕の中で寝てしまっていた。
"女"は仕方なく"それ"をかかえ立ち上がると公園のベンチに腰掛けた
"それ"の頭を"女"の膝の上に乗せ来ていたパーカーを"それ"に被せる
いつの間にかあんなに眩しすぎるくらい輝いていた惑星の光がどんどん傾きほとんど沈んでしまっていた
突如"それ"は目を覚ました
状況を把握するのにほんの数秒も要らなかっただろう
"それ"は怪我のことなんて忘れ勢いよく起き上がった
心做しか少し、ほんの少しだけ頬が赤くなっている
「お、やっと起きたか」
口をモゴモゴさせている"それ"より先に"女"が無言の時を破った
「もう6時だ、親御サンも心配しているだろう私が送って行ってやるよ。」
立てるか?そう優しく声掛けをする"女"
未だに無言の"それ"
「歩けないなら背負ってやるぞ」
"女"は"それ"の前にしゃがみこむ
「だ、大丈夫だよ、これくらいの傷なんともない…から」
"それ"は慌てて"女"の誘いに断ろうとしたが
「今日くらい人に甘えてもバチなんて当たるわけないだろ」
そういうと無理やり"それ"を背中に抱えたのだった
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作者名:夢現ノ支配人 | 作成日時:2020年4月2日 21時