ビターチョコ・シンドローム【赤】

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大毅っぽい。

大毅の言葉センス、私すごく好き。


そう伝えると、彼は少し照れくさそうに鼻を掻きながら笑った。



大「マジで？嬉しいな」

「早く聴きたい、この曲」

大「んー、けどこの曲バンドというよりかは弾き語りとかの方が映えると思うんよなぁ」

「じゃあ、合宿で大毅が弾き語りしてよ！」

大「え、えぇ〜…」



大毅はピアノが弾ける。

最近はアコギも弾いてるみたいで、意外となんでもできる多彩な奴。

すごいなぁ、私はギターの才能しかないから…



大「じゃあ、Aがアコギやってや。
俺がピアノで、ユニットでやろ」

「えっ、そんな恐れ多いわ」

大「なんでや、ええやん。
できるだけ早く作るわな」

「……」



そう言った大毅の横顔がすごく大人に見えた。

なんだか遠い人になったよう思えて、



大「……っえ、どした？」

「………」



気が付けば、涙が流れた。

私は曲なんて作れなくて、クヨクヨしてるのに。

大毅は裏でこんな才能を発揮してたなんて。



大「……A…？」

「……いや…大毅、すごいなって……」



私、無能すぎて。

なんて自嘲してたら、大毅が私の手を取って真剣な眼差しで私を見つめた。

急な大毅の真剣な顔に思わず私の動きが止まった。



大「お前はお前やろ、俺かてお前のギタボのセンスにばり嫉妬してるし…尊敬してる。
曲作れんからって別に無能とかちゃうし」

「……」

大「俺はお前のギターも、歌も好きやで」



な？と優しく笑う大毅にまた救われる。






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