ビターチョコ・シンドローム【赤】

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「……ゔー…」

流「おっ、例の親友でお悩み？」

「違うねん…」



バイト中、お客さんが一人もいなくてレジのお金を数えている時に流星くんが私の横に来てそう言った。

実は私がオリジナル曲を作らなくなってしまった経緯を話して、再びため息をついた私。



流「すげー、かっけぇなオリジナルとか」

「……音源化したらCD買ってね」

流「おん、買う買う」



グラスを拭く流星くんが笑う。

いつも思うけど、流星くんって顔整いすぎてモデルさんかなんかじゃないのかって思うわ。



「オリジナルなんて作れへんよ…」

流「難そうやなぁ」



はぁ…とため息をつくと、私のスマホが鳴る。

通知を確認すると、望くんからのLINE。


彼から私にLINEなんて嬉しすぎて思わず「へぇ！！？」なんて奇声を上げてしまい、流星くんが引いた顔で私を見た。



「……」



望くんからのLINEは、驚くものだった。



「……え」

望『今年の合宿で、バンド組まへん？』



望くんは、うちのサークルでボーカルをやっている。

歌は上手くて盛り上げも上手いから、各バンドや先輩方に引っ張りだこの望くんに…

まさかのバンドのお誘い。


嬉しい、嬉しすぎる。


私は二つ返事で



「私でよければ、バンド組みたい！」



と送った。

私も担当はギターボーカルだけど、望くんが歌うならギターコーラスでもなんでもやるし。

掛け持ちも許されてるから、これをYes以外の返事をする理由もない。



流「えっ、急にルンルンなるやん」

「えへへ、そうかな」

流「ビックリするくらい気分屋やな(笑)」






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