ビターチョコ・シンドローム【赤】

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「……」



私は大毅が恋愛対象ではないが、大毅は私の事を好きだと言ってくれた。

あの空気では、友人としてとは考えにくい。

あぁ、ますます頭が痛くなる。


“俺の作戦勝ちやな”


そう笑った大毅の顔が頭から離れない。



「ただいまー…」

照「おぉ、おかえり〜」

「今日さーバイトでさー…てちょっと待て」



家に着き、いつものように母にバイトの愚痴を漏らそうとリビングに入るやいなや飛び込んできたのは父と晩酌を楽しむ、サークルの先輩の照史さん。

おかえり〜と呟いたのも、既に出来上がっている照史さんだった。

意味わからん！なんで打ち解けてんの！？

初対面でしょ！？？



「照史さん！？ここで何してるんですか！」

照「いやいや！お前に借りてたエフェクター返しに来たんやけどおらんかったからさー、待ってた！」

「待ってた！じゃないですよ！！
来るなら連絡してください！
そんで、なんでお父さんもお酒飲ませてんの！」

『いやぁ、せっかく来てくれたし、桐山くん呑めるって聞いたから…ほら、最近A相手にしてくれへんやん』

「子どもか！」



私の席に座っている先輩の首根っこを掴み、ずりずりと引きずる形で席を立たせる。

先輩にする行為じゃないけど、そんなもん知るか。

ビール片手の照史さんを自室に投げ入れ、



「エフェクター返してください。
そんで、さっさと帰ってください」



そう言い放った。

しかし、既に出来上がっている照史さんに効くはずもなくヘラヘラと笑いながらビールをぐいっと飲む。



照「ええやんけ〜Aのお母さんも泊まっていけって言ってくれてるし」

「……」



あぁもう。

明日シラフになったら覚えとけよ、殴るから。






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