いちごたちと転校生6【すとぷり】

説教 ページ11

「Aここに正座しなさい」

『はい…』

三葉事件が終わり、その後に控えていたテストも
点数関係なく無事に終わり
最近になって、ようやくまともな食事と睡眠にありつけた私だったが…

「ほんま自分、何してるか分かっとる？？
こんな大事なことなんで言わんねん！！最近様子がおかしい思うとったけど、お母さん悲しいわ！！！」

と言って、泣き崩れた
大丈夫、長年の勘が言ってる、嘘泣きだ
なぜ、こんなことなったかと言うと
今回の三葉事件、先生方が親に連絡した方がいいだろ的な、感じで私は、一切親にこのことを伝えていないので、親は先生からの電話で初めて知り
こうやって怒り狂ってるわけです

「ほら！！お父さんも言ってやんな！」

泣き崩れの演技はどうしたのか、ソファーでお気楽に寝転がっているお父さんに指図すると

「Aは、お父さんに似て、優しいなぁ…
どれ、お父さんの好きなアイスを1本あげよう」

『ありがとう、お父さん！』

気が抜けているところがあるが、こういう場では
いつもお父さんは味方だ、冷蔵庫から高級そうなアイスを取って、食べると

「ふざけてるん！？」

「この子にも事情があるんだよ、そう深く責めないであげて」

「あんた、そうやっていつもいつも！あの子が、巻き込まれ体質なのはわかってるんよね！？人一倍気を使ってやらないけんのに、どうしてそんな、あんたはいつもお気楽やねん！」

お母さんは血の気が多いいから、すぐに喧嘩するし
逆にお父さんは、怒らなすぎて怖い、で有名だ
お兄ちゃんは、ダメ男で女運無し
個性的な家族だな…と我ながら思った

「Aがいつ！！前みたいなことになるか、わからんやん！！あの時のことは、忘れたん！？？」

「忘れるわけがない、でも、それで責める理由にはならないよ、お母さんもアイスを食べて」

「あたしはスイカバーしか食べへんから！！」

と、長く続いた会話が終わったようだ
お母さんも、怒ってはいるが、さっきよりかは
って感じで、ひとまず安心

「A」

『な、なに？』

「Aあんたは、巻き込まれやすいんよ、それはお母さんもそうだったから、遺伝やな、でも、あんたは、歴代特に悪質やで？下手したら、その巻き込まれで命落とすかもしれん、それくらい危険なん、わかって、あたしに言いづらいなら、お隣の…え、えーと、る、るまんだくんでもええからな」

『誰やそれ、るぅとくんやろ』

「そう、るねさんすくんね！！」

『人の名前覚えるの下手すぎん？』

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