アステカの金貨 ページ12
一方、ブラックパール号内では、アステカの金貨の秘密が、バルボッサの口で語られていた。
バ「これがなんだか知っているか?」
エ「えぇ。海賊のメダルでしょ?」
バルボッサは、語る。自分達が犯した過ちを。バルボッサは、語る。呪いの恐ろしさを。
エ「だけど、償いの血は?」
バ「だから、まだ君を殺す訳にはいかないのだよ。」
バ「食べるか?」
バルボッサはまた、青林檎をエリザベスに差しだす。だが、それをエリザベスは払い除け。隠していたナイフを振り回す。だが、そんなもの当たるわけがない。なにしろ、相手は海賊でありブラックパール号の一等航海士。バルボッサであるのだから。
Aは、ナイフが自分に当たらないよう端にいき、様子を伺う。
バルボッサは、ただそこに佇んでいる。その余裕は、バルボッサのもつ呪いにようものである。バルボッサは死なないのだ、ナイフを恐れる必要は無い。
しばらくたち、エリザベスが無造作に振り回していたナイフは、バルボッサの胸へと刺さる。
バ「面白い。俺を殺した後次にどうするつもりだ?」
刺さるナイフを抜き取り笑うバルボッサ。
恐怖、驚き色々な感情が混じり混乱状態に陥るエリザベス。扉を開け、急いで外へ出る。だか、外には月明かりに照らされ呪われた恐ろしい骸骨の姿となった船員達が居た。さらに混乱状態になるエリザベス。
まだ、部屋にいるAはバルボッサに言う。
A「さすがに、可哀想だ。」
バ「いいや。このぐらいが、ちょうどいい。」
バ「見ろ!月明かりが、我々の正体を暴き出す。この世のものではないから死ぬことも許されない。だが、死んでも居ない。そして、今日も喉の乾きに苦しみ。明日も空腹に喘ぎ、それでもまだ死ねない。何も感じれない。頬を打つ風の冷たさや女の肌の温もりも。何も感じない。」
バ「呪いを信じる気になったろ?ミスターナー。」
エリザベスは、部屋に戻る。
バルボッサは、嘲笑った。船員もそれに続き笑う。Aは、無表情、何を思っているかまるで分からない。
A「やはり、まだ呪いは続いていたか。」
バ「当たり前だ。分かっていただろ。だから、ターナーを匿っていた。」
A「さぁ。どうだろ。」
曖昧な言葉を返す。
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作者名:エビチリ | 作成日時:2023年2月17日 22時