声が出ない君へ－佐野玲於－ (ページ9)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:78,582 hit

.9 ページ9

－貴女 side－

玲於「そんなんじゃないって。好きとかじゃ」

その言葉が聞こえてきた時、心がズキってなった

何でかは分かんない

熱があるからかな

玲於「A、できたよ」

ベッドで寝ていた私は起き上がって玲於くんの方を見た

玲於「律、アイス食べたいって買いに行った。おかゆ、食べれる？」

貴女「ｺｸｺｸ」

一口、口に入れると

わ、美味しい

玲於「美味しいの？」

貴女「ｺｸｺｸ」

玲於「ははっ、顔に書いてあるもん」

“美味しい！律くんって料理上手なんだね！”

玲於「料理だけな。あ、律からLINEきた」

貴女「？」

玲於「食べたいアイスがないから違うコンビニ行くって」

“どこまで行くんだろ”

玲於「ここから15分ぐらいのとこだって」

“そんなに食べたいんだね”

玲於「Aちゃんは何がいいー？っだって」

“私はいらない”

玲於「って言ってくるの見越して、いらないは無しだよーってきた」

“じゃあ、スッキリしたのがいいかな”

玲於「スッキリしたの…っと。よし」

“ごちそうさまでした”

玲於「食べるの早い」

“食べたら眠くなってきた”

玲於「単純だな。永久さんっていつ帰ってくる？」

“たぶん、5時すぎるくらいだと思う”

玲於「じゃあそれまでここにいる」

“でも授業は？”

玲於「1日くらいサボってもなんてことない。俺、成績いいから」

“永久くんに合わせる顔なくなるね”

玲於「いいの。成績いいから」

“さっきも聞いたー”

玲於「早く寝な。律が帰ってきても追い出すから」

“ありがとう、律くんのことは追い出さないでね？”

玲於「分かったから、おやすみ」

ふわっと頭の上に手を置いてくれた

落ち着く…

玲於くんの手、あったかい

他の子にもこんなことするのかな？

なんかやだ

玲於「ん？なに、そんなじっと見て」

うわ、私今何思った…？

ブンブンと思い切り首を振って

なんでもないというのを伝えた

玲於「A、大丈夫か」

“おやすみ！”

こんなこと思うのは全部熱のせいだから！