『海列車』 ページ25
それから、俺たちはブルーステーションに向かい、エニエス・ロビー行きの海列車に乗った。
カク「…すまんかった。」
『謝んなよ、俺が惨めになる。』
カク「じゃが…」
『俺があそこで死んでれば怖い思いをせずに済んだのにってか？ﾊｯ……政府のお役人はお優しいこって。』
カク「……」
『第一、俺のした事知ってんだろ。手配書見てたんだから。』
カク「そうじゃが…」
『……それを知って尚殺さないお前の気がしれへんわ。』
カク「ワシもびっくりしたんじゃ、あの時になって己の想いに気づいたんじゃ。
思い返せば、一目惚れだったかもしれんのう。」
『……今更そんなこと言われたってもう無理だろ。』
カク「何故じゃ？」
『俺は怖がりだから、お前達にもう心を開けねぇ。
根は良い奴かもしれない。そう思っても無理なんだ。
……1度殺されかけた相手に心を開けなんて言う方が無理や。』
カク「それは……そうか」
『……寝る。着いたら起こしてや。』
カク「分かったわい。」
・
・
・
俺は夢を見た。
故郷の皆に名前を呼ばれて、みんなで遊ぶ夢。
遊び半分で川に落とされた。
だが、悪意があった訳ではないと言われ。俺は快く許した。
今思えば、悪意の塊だったのかもしれない。俺は幼少期、既にヨチヨチの実を口にしており幼い頃から予知を可能としていた。
それを気味悪がった島の奴らは俺を「悪魔」と呼んだ。
俺はそれを知らなくて、みんな良い奴だと、みんな優しい奴だと思い込んでいた。
時は流れ15歳の夏。俺は俺を毛嫌いする奴らを殺した。
15歳の頃、俺はずっと知らなかったみんなの事を知った。
俺を嫌っている事、俺を「悪魔」と呼んでいる事、俺を川に落としたのは俺を殺すためだということ。
だったら、
『殺し返してやる。』
夢にしては生々しくて、血の匂いが漂って、頭がおかしくなりそうな夢。
目覚める直前、俺は俺を見ていて、俺は俺に殺される。
・
・
カク「A、A。着いたぞ、エニエス・ロビーじゃ。」
『……おう。』
酷い頭痛を我慢しながら、ルッチ達の後ろを着いて歩く。
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モカ - 凄く面白かったです‼更新も頑張ってください‼‼ (2022年8月15日 15時) (
レス) @page35 id: 68e38e087b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 獅戸さん» 無理だったらごめんなさい；；更新がんばって下さいね！応援しますね！ (2021年9月11日 13時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 獅戸さん» 一緒に合作しませんか？ (2021年9月11日 13時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
獅戸(プロフ) - 星猫さん» ジョジョ・呪術(アニメ勢)・ONEPIECE・マギ・はたらく細胞くらいですかね？知識が中途半端なのがありますけど複数のアニメより特定のアニメをじっくり見るタイプです！！！ (2021年9月11日 12時) (レス) id: 3ac1786402 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 獅戸さん» もう一つのｐｃを操作してます。 知ってるアニメは何ですか？ (2021年9月11日 12時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：獅戸 | 作成日時：2021年9月10日 16時
