私を見て【冨岡義勇】

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『任命証 以下の者を 水柱の 継子へ任ず 』




この紙が届いたのは、あれから2週間の事だった






どうやら、『継子』へ選ばれたらしい





とても嬉しいことだ





…けれど、私にとってはあまり朗報ではなかった





男性恐怖症である私には





それでも、仕事は仕事





わざわざ柱の方が鍛錬をして下さるのだから、文句は言っていられない






たんたんと支度を済ませ、手紙に書いてある時間に水柱の彼の屋敷へと向かった





到着したのは、立派な御屋敷だった





人がいる様子もなく、とても静か




自ら扉を開けた方がいいのかと思い、門の内側へ入ろうとする





冨「波凪Aか」






1歩踏み出そうとするところを、背後の声に止められた






…彼が水柱の…





「は、、はい。階級、乙。波凪Aと申します。」





45度くらいのお辞儀をする






師範となる方なのに、目を見て話すことが出来ない自分に腹が立つ







冨「俺の名は冨岡義勇だ。…中に入る」






師範は私の前を、スタスタと歩く






彼は不思議な雰囲気を醸し出している





言葉で表すのは難しいが、『無』に近いような






かと言って、何も考えていない訳では無い





冨「お前の部屋は此処だ。支度が終わり次第、今後の説明等する」





「…はい、わかりました」





またお辞儀をし、『私の部屋』と言われた一室へ入る






その瞬間、緊張や不安が解れた






徐々に薄まってはいるが、症状は少なからず出てしまう






序盤からこの調子ではまずい







私は気を取り直して、準備を始めた






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