物騒な世の中 ページ47
鬼灯side
あの恐ろしい夢を何度も見る。
…本当に何かの予言なんでしょうか……。
そんな事を考えながらいつもの待ち合わせ場所に向かう。
もう来ているのはフウガさんだった。
フウガ「あ、鬼灯くんおはよっ」
鬼灯「…おはようございます」
フウガ「ん?なんか元気なくない?」
私の顔を覗き込むフウガさん。
鬼灯「いえ、大丈夫ですよ」
フウガ「うーん…でも最近、なんか鬼灯くん元気ないよ」
流石…わかるんですね…。
鬼灯「…烏頭さんと蓬さんに“風邪”と伝えておいてください。私、ちょっと現世に行ってきます。」
悩んだのは束の間だった。
決心した。
現世に行って、何も彼女達に悪い事はないと確認して、黄泉に帰ろう。
フウガ「…お茶の子さいさいだよ!行ってらっしゃい」
鬼灯「ありがとうございます!」
私は市場の方へ駆け出した。
・
市場のど真ん中。
色々な
そして思いっきり息を吸う。
そして、声を出した。
鬼灯「神獣ー!いませんかー!美人に興味ありませんかー!」
この方法しかない。
?「あるっ!」
すかさず声がした。
その声の主は、昔烏頭さんと蓬さんと私を現世に連れて行ってくれた、匿名の神獣だった。
・
私は神獣に事情を説明した。
神獣「あー…まだ15歳の女の子かー…まあでも青春を応援したいからね。連れてってやるよ」
鬼灯「…ありがとうございます。」
現世に向かった。
・
現世の深い森に着いた。
着いた頃にはもう夜。
結構時間がかかった。
鬼灯「ではここで待っててください」
私ももう殆ど大人。
昔みたいに向こう見ずじゃない。
帰りのことをきちんと考えている。
神獣「おっけー」
角と耳を隠す為、頭にバンダナを巻く。
そして一応持ってきた、最近手に入れた金棒を担ぐ。
森を出る。
目に入ったのは、夜空が自慢げに飾った下弦の月と、見た事ない村。
けれど
Aがこの村にいると、確信した。
気配というものを感じた。
夜風に揺れる木に茂った葉、花。
灯りの灯っていない住居。
小さな倉庫。
…倉庫に気配を感じる。
倉庫に近寄り扉を開けそうとすると、鍵がかかっている事に気がついた。
力尽くで扉を開ける。いや、壊すと言った方が正しいかもしれない。
暗い倉庫の中に、血の付いた貫頭衣を身に纏い、倒れている同じ歳くらいの少女を見つけた。
…いや、まさか……。
顔を確認する。
鬼灯「……A?」
その少女はAだった。
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茅 - 絵上手いですね! 書き方教えてほしいです、、、、。私、好きな人がいます。告るか悩んでて、、、。どうしたらいいですか? (2020年10月20日 11時) (レス) id: bcdcf4ec06 (このIDを非表示/違反報告)
茅 - 謎の沈黙ターイム(バリトン)wwこれ、気に入りましたww (2020年10月20日 11時) (レス) id: bcdcf4ec06 (このIDを非表示/違反報告)
雛紗(プロフ) - もんじゃさん» コメントありがとうございます!え!本当ですか!?嬉しいです^^ありがとうございます! (2018年6月15日 19時) (レス) id: db311f7197 (このIDを非表示/違反報告)
もんじゃ(プロフ) - 絵めっちゃ上手ですね!! (2018年6月15日 17時) (レス) id: 84ebad2ff3 (このIDを非表示/違反報告)
メグル - 雛紗さん» 承知っすw (2018年6月13日 22時) (レス) id: 5915396e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雛紗 | 作成日時:2018年4月9日 17時