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ペトリコール ページ44

貴女side

貴女『私!』

村長「なんだ?」

村長はギロリのこちらを睨む。

貴女『雨を降らせられます』

村長「…生贄になりたくないからって馬鹿なこと言うな。」

貴女『なんなら証拠を見せてあげましょう。』

私は瞳を閉じて、深呼吸して、星を綺麗に飾った神秘的な夜空に向かって手を上げた。
すると、その夜空を覆い隠すように黒い雲が浮かんできた。
そして、その雲はついに雨を降らし始めた。

貴女『…これでも信じないんですか?』

村長「た、偶々だ!こんなの」

貴女『信じるにしても、信じないにしても、これで生贄を出す必要はもうないでしょう?』

村長はうぅ…と悔しそうな顔をする。

私は再度空に手を上げ、雨を止ます。
足元に咲いていた、雨に濡れたサンカヨウの花の花弁が、透き通って綺麗だった。
雨上がりのちょっと苦い匂いが心地良い。

村長「…わかった。生贄は出さない。Aは自分の村に帰れ。サヤは我が村の青年の嫁として迎え入れるがな。」

貴女『…サヤは恋する乙女。』

村長「…は?」

貴女『恋する妹に知らない人と結婚なんてさせたくありません!』

私は思いっきり叫んだ。

村長「どこまでも我儘な小娘だな…!じゃあサヤの代わりにお前が嫁になるか?」

貴女『…別にそれで良いです。』

ううん…本当は嫌だ。
私にだって、大好きで仕方ない人がいる。

…でも、亡くなってる。

丁は、生まれ変わってるかもしれないし、あの世にいるかもしれない。

どっちにしろ

もしかしたら私じゃない別の人を深く好きかもしれない。

…人の気持ちって案外コロコロ変わるものだ。

村長「…おお、すんなり受け入れたな。」

貴女『私を焼くなり煮るなり好きにすれば良い。その代わり、いくつか条件を出します。』

村長「は?条件?誰に向かって口聞いてんだ!?」

殴りかかろうとする村長。

私は自分の能力を使って村長の目の前にイバラを出した。
どんどん村長を追い込んでいく。

村長「な、何するんだ!?怪我するじゃないか!」

貴女『はい、そうですねえ。私の条件を満たしてくれるのならイバラ消すんですけど。』

ギロッと睨んで見る。

村長「わっわかった!聞いてるから今すぐイバラをのけろ!」

私はイバラをスッと退けた。

私の事は焼くなり煮るなり好きにすればいい。
灰になったっていい。
その代わり。
私が大切に思っている人を幸せにする為の条件を聞いてもらうつもり。

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- 絵上手いですね! 書き方教えてほしいです、、、、。私、好きな人がいます。告るか悩んでて、、、。どうしたらいいですか? (2020年10月20日 11時) (レス) id: bcdcf4ec06 (このIDを非表示/違反報告)
- 謎の沈黙ターイム(バリトン)wwこれ、気に入りましたww (2020年10月20日 11時) (レス) id: bcdcf4ec06 (このIDを非表示/違反報告)
雛紗(プロフ) - もんじゃさん» コメントありがとうございます!え!本当ですか!?嬉しいです^^ありがとうございます! (2018年6月15日 19時) (レス) id: db311f7197 (このIDを非表示/違反報告)
もんじゃ(プロフ) - 絵めっちゃ上手ですね!! (2018年6月15日 17時) (レス) id: 84ebad2ff3 (このIDを非表示/違反報告)
メグル - 雛紗さん» 承知っすw (2018年6月13日 22時) (レス) id: 5915396e2f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雛紗 | 作成日時:2018年4月9日 17時

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