. ページ14
「見てください!96点ですよ!5位!」
「はーい、すごいすごーい」
「馬鹿にしてますよね」
「してないで」
なんてニヤニヤとした笑みを浮かべて言われてもなんと説得力もないわけで。
どすん、と椅子に座って先程運ばれてきたポテトを口に運べば彼はいじけへんの、と言ってまるで自分が頼んだかのようにポテトを手に取った。
「うま」
「や、まぁ美味しいですけど…」
久しぶりに食べるジャンクフードの味に自分も手が止まらない。
もぐもぐポテトを食べていれば、飲み物飲まなあかんで、と飲みかけのコーラを渡される。
また太るコンボを…と思いつつもこれがまた最高なのだ。
「おいしい」
「太るで」
「…死ぬので関係ないです」
「お!せやな!なら今のうちにもっと頼んどくか!」
その言葉を待ってました!と言わんばかりにパフェやからあげなどを頼んでいく彼。
その様子にため息をついて次の曲を入れれば次はなんの童謡なん?と面白そうに言われる。
「次は童謡じゃないです〜!流行りがわからないだけで知ってる曲だってあります」
「あ〜、これ聞いたことあるわ。でもたしかこれってかなりマイナーやない?」
「まあマイナーかもですね。あんまり売れてる訳でもないバンドですし」
そう言えばAがバンドのイメージないわぁ、なんて言われてしまう。
そりゃ私は好きなものとか特にないからバンドにも興味はないけど、だけどこの曲だけは別だった。
だってこの曲は______
「A、もう始まってるで?」
「っ、ちょっとボーッとしてました、すみません」
歌い出せば、頭の中にはある人が思い浮かんできて。
なんだか泣きそうになっちゃって目尻を抑えれば、彼は珍しく何も言わずに背中を撫でてくれた。
『A、この曲聞いてみ?』
『え、私ロックわかんないよ〜』
『まあええからええから』
『ん〜』
『…どうや?』
『…好き、かも』
『せやろ!』
532人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
若草 翠 - 素晴らしい作品でした。主人公の感情が痛いくらいに伝わってくる文章の書き方で、スッキリとした終わり方が印象に残っています。これからも頑張ってください! (2022年4月6日 21時) (レス) id: 3991d49295 (このIDを非表示/違反報告)
芽樹。(プロフ) - 神野里彩さん» はじめまして。ご丁寧にありがとうございます。そう言っていただけると私も書いてよかったです…!少しでも心に残る作品になってくだされば私も嬉しいです…!こちらこそ改めて読んでいただきありがとうございます。 (2019年7月29日 2時) (レス) id: 4dfb0739ae (このIDを非表示/違反報告)
神野里彩 - 初めまして。こんにちは。貴方の作品がオススメに出てきたので読んでみました。普段あまり感動する映画とかで泣かないのですが、最後まで一通り読み終わったら涙が止まりませんでした。芽樹さんとても素晴らしい作品を読ませて頂ありがとうございました。 (2019年7月28日 15時) (レス) id: 1e17a0cebe (このIDを非表示/違反報告)
芽樹。(プロフ) - フラルさん» そう言っていただけて嬉しいです!お読みいただきありがとうございました! (2019年7月12日 8時) (レス) id: 4dfb0739ae (このIDを非表示/違反報告)
フラル(プロフ) - 評価が1回しか出来ないのが悔しくなるほどとても素晴らしい作品でした!!!どのエンドも感動しました! (2019年7月11日 0時) (レス) id: 8607e8bac4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:芽樹。 | 作成日時:2019年1月7日 23時